科学的に運気を上げる方法が判明!? 今すぐにでも実践できる! “姿勢”と“動き”のラッキーアクション
形から入ろう
つまり、「病は気から」とよく言いますし、実際に体の健康と心の健康は分かちがたく結びついていると思うのですが、その「ポジティブな気分」を決めているのは脳ではなく、体だったりするかもしれないんですね。 そこでおすすめのラッキーアクションが、「背筋をピンと伸ばす」ことです。 コロンビア大学のダナ・R・カーニーらは、被験者にわざと「堂々とした姿勢」と「縮こまった姿勢」をしてもらい、両グループにギャンブルをさせる実験をしたところ、堂々とした姿勢のグループのほうが、よりリスクの高い賭けを好んでする結果が出ています(※2)。 簡単に言うと、背筋を伸ばすだけで、人間は強気になれるというわけです。リスクがあっても、躊躇せずに強気になって行動が起こせるようになる。そして行動を起こせば、運気が上がります。 「幸運」とは実に漠然とした概念ですが、確実に言えるのは「『よい』か『悪い』かで言えば『よい』」ということです。 健康状態なら、幸運な人のほうが不運な人より元気ですし、お金も幸運な人は不運な人より多く持っている。少なくとも、イメージでは誰もがそう思うのではないでしょうか。 同じように、背筋がまっすぐの人と、猫背で下を向いている人がいて、「どちらがより幸運な人か」と尋ねたら、ほとんどの人が前者だと答えるはずです。 だから、まず形から入る。幸運な人のように振る舞う。 中でも、姿勢は最も簡単にできる「形から」の方法です。 そして、体が先、脳が後。 なので、形である体を変えれば、心もついてくるわけです。
姿勢次第で、ハッピーにもアンハッピーにもなる
さらに、姿勢についての研究は多くあり、「体が先、脳が後」という話を抜きにしても、科学的な効果が立証されています。 たとえば、先述のカーニーらの実験で、被験者の唾液を調べたところ、堂々とした姿勢の被験者たちからは、決断力や積極性や攻撃性に関係する「テストステロン」というホルモンが増え、ストレスを受けると分泌が増えるストレスホルモン「コルチゾール」が減っていたのです。 攻撃性がよくない形で発露することもありますが、前向きな気持ちでストレスも少ない状態というのは、基本的には「幸福」を感じる状態と言えます。 オークランド大学のカリッサ・F・ウィルキーズらの研究でも、背筋を伸ばすと自己評価が高くなり、気分もよくなり、恐怖心も少なくなるということが示されています(※3)。 他にも同じくオークランド大学のシュウェータ・ネアーらの研究でも、軽度・中程度の61人のうつ患者に胸を張ってもらったところ、肩をすぼめていた人たちよりも、よく話し、ポジティブな気持ちになり、不安も減少していました(※4)。 すなわち、背筋をピンと伸ばすことは、ラッキーアクションであると同時に、ハッピーアクションでもあるわけです。 お金や時間をかけずにできるアクションとして、こんなによいものはそうそうありませんし、背筋がピンと伸びている人は佇たたずまいが素敵です。ぜひ、実行してみてください。 こぼれる涙があろうとなかろうと、上を向いて歩きましょう! ※ちなみにカーニーはこの結果に関して自身で反論を出していますが、その後、共同研究者のハーバード大学のエイミー・J・カディに完璧に論破されています(※5)。 また、ここでご紹介したウィルキーズらやネアーらの研究のように、背筋を伸ばすことで得られるポジティブな効果に関する研究は枚挙にいとまがありません。科学というのは、こうやって議論を戦わせることが大切で、何が正しいかは簡単には決まらないのです。