火星、1月12日に最接近 2025年注目の天文ショー 3月、5月には16年ぶり土星の輪が〝消失〟
2025年もさまざまな“天体ショー”が見込まれている。佐賀市星空学習館の早水勉副館長に、ことし注目の天文現象を聞いた。 既にしぶんぎ座流星群の極大(4日)があった1月は、2年2カ月ぶりに火星が地球に近づき観察のチャンスを迎える。公転軌道が楕円(だえん)形の火星は地球との距離が一定ではなく、今回は「割と遠いところでの“小接近”」。12日が最接近となる。 天文愛好家の注目は、16年ぶりに起こる土星の輪の消失。土星を真横から見るときや、太陽が土星を真横から照らす場合に輪が見えなくなるもので、3月24日と5月7日のいずれも日の出直前に該当する。観察機会は11月末から12月始めにもあり、時間帯はこちらの方が好条件。学習館で観察会を計画しているという。 8月12日明け方は、金星と木星が接近する。「満月2個分ほどの距離に近づいて見え、非常に明るい」という。肉眼で見ることができ、夏休み中の子どもたちでも早起き次第で観察できるかもしれない。 9月8日の未明から明け方にかけては、全国で皆既月食が見られる。また「すばる」の名で親しまれるプレアデス星団が月に隠れる「すばる食」が3月5日、8月17日、11月6日、12月31日の4回起こる。「観測には双眼鏡や望遠鏡が必要だが、回数が非常に多く注目」と話す。(志垣直哉)
志垣直哉