【ボートレースコラム】中野希一のデビュー初Vに思った「迷わない、慌てない、諦めない」
10月13日にボートレース戸田で行われた「ルーキーシリーズ第15戦」の優勝戦は、4号艇の中野希一(25=埼玉)が2周1マークで先行艇を捲って逆転で制し、地元水面で待望のデビュー初優勝を飾った。 「迷わない、慌てない、諦めない」ことが強いボートレーサーの条件だと考えているが、この日の中野はまさにピッタリの内容だった。準優勝戦1号艇で2着惜敗だったが、迷わず4カドから威力を発揮できる伸び仕様で優勝戦に臨んだ。1マークで決め切ることはできなかったが、決して慌てることなく2マーク以降での逆転を見据えた。そして最後まで諦めない気持ちが、劇的な道中逆転劇を呼び込んだ。 舟券という側面で考えてみる。3連単の払い戻しは<4><5><1>で5450円だった。最近のボートレースは、奇数コースが1マークで思い切って攻めるケースが目立つ。以前のように「4カド」が利きづらい。だから、4コースが舟券の軸でも、1&5コースが踏ん張る「<1><4><5>ボックス」の6点を均等に購入することが多い。 ちなみに、このレースの「<1><4><5>ボックス」の最終オッズは<1><4><5>=17.0倍、<1><5><4>=27.4倍、<4><1><5>=45.2倍、<4><5><1>=54.5倍、<5><1><4>=110.3倍、<5><4><1>=129.9倍。2マーでは<5><4><1>で走っていた。「そのまま~」と叫んでいたが、結果は半分以下の払い戻しに。それでも、購入方法に悔いはない。オッズが低いからと買い足すのではなく、むしろ高いオッズのフォーカスをしっかり買うくらいの思い切りの良さが回収率アップへの道と信じる。 舟券が簡単に当たるものではないことは承知している。「迷わず、慌てず、諦めず」の言葉は強いボートレーサーの条件として考えるだけでなく、舟券購入時にも唱えている。(大野 順平) ◇大野 順平(おおの・じゅんぺい)1969年(昭44)4月9日生まれ、兵庫県出身の55歳。ボートレースとオートレースを担当。今年1月、近道するか迷った末に普段使わない階段でつまずき、慌てて転んで流血し救急搬送。鼻骨骨折で翌日の出勤は諦めた。