「横浜発の次世代技術」ペロブスカイト太陽電池 世界リードする戦略また一歩前進
■日本が持つ強み
PSCが広がれば、たとえば農業用ビニールハウスに取り付けて夜間の照明用に発電するなど「電力の地産地消」がさまざまな場面で加速し、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出ゼロ)」の追い風になる。
さらに、エネルギー安全保障の観点からも注目される。日本はPSCの主要原料であるヨウ素の生産で世界シェア2位を占め、フィルムや印刷の技術にも強みを持つからだ。中国勢に席巻された従来の太陽光パネルと同じ轍を踏まず、官民の協同で世界市場をリードする戦略が期待される。
今回の実験について、麗光の岩井順一社長は「当社の薄膜技術で社会課題の解決に挑むことに血が騒ぐ」と技術向上を誓い、宮坂氏は「PSCの社会実装のマイルストーン(一里塚)になれば」と期待を込める。