普段は上の立場の「私」を鼻で笑い自分の有能ぶりを語る彼女が「マウント」する理由
タワマンの階数でマウントする人たち
「あの人、すぐマウント取りたがるんだよね」 「何かとマウントしてくるから、イラっとしちゃう」 【漫画を読む】「自分の方が優れている」をアピール。彼女が「私」にマウントする理由 「マウント」とは、自分が優れていることをアピールしたり、相手にないものを見せつけ、優位性を示すような行為をいう。 結婚の経験の有無、彼氏の有無、子どもの有無、収入の高低、学歴の高低ほか、持ち物、体験、最近では同じタワマンに住んでいても居住する階の違いでマウントを取ったりすることもある。 住んでいる階によって相手が自分より優れているか否かなど、本気で考えている人間がどれだけいるかは不明だが、確かに日々の人間関係でマウントされたり、無意識の言動がマウンティング行為と批判されるなどはよく聞く話だ。 『怖いトモダチ』(岡部えつ 原作・やまもとりえ 漫画 / KADOKAWA)にもまた、「マウント」を取ろうとする人物が描かれている。 人気エッセイスト・中井ルミンは自身が主宰するオンラインサロンで、ある専門知識が必要になり、その分野で働く知人に教授を願った。 だがその知人は「いかに自分が有能か、滔々と話し」、質問するルミンを鼻で笑い、同時に苦笑いの表情をして見せた。ルミンは「マウント」されたのか。 後日、サロンのオンラインミーティングでルミンはこの件について語った。 「人間社会の『マウント』とは、『自分の方が優れている』と相手に示す行為」 「実際そこには『順位』なんてないのに」 「自分に自信のない人ほど振りまわされる」……。 ミーティング後にその知人からきたメールは「自分のしたことに気づき、心から詫びる内容」で、ルミンが返信をすると、「感動でむせび泣いた」と再度返信があって、「あとには爽やかな空気と暖かな陽だまりが残った」のだそうだ。 ルミンの言い分は真実なのだろうか。 なぜならこの漫画は、中井ルミンが「いい人」なのか、「悪魔」なのかを見極めるかのように、ストーリーが進んでいくのだ。 複数の証言者がルミンとのエピソードを披露するたびに、ルミンへの評価は揺れる。