KADOKAWA、サイバー攻撃による特別損失36億円→24億円に
出版大手KADOKAWAは7日、ランサムウェア(身代金ウイルス)による大規模なサイバー攻撃を受けた影響で2025年3月期に計上する特別損失について、従来見込んでいた36億円から、24億円に修正したと発表した。運営する「ニコニコ動画」などを使って収益を得ているクリエーターらへの補償や、システムの復旧費用などが想定より少なかった。身代金の支払いの有無は明らかにしていないが、特別損失には含まれていないという。 サイバー攻撃による本業への影響も、想定より小さくなる見通しだとした。従来予想では25年3月期の売上高は84億円、営業利益は64億円減少すると見込んでいたが、売上高は77億円、営業利益は47億円の減少にとどまるという。 ただ、同社は個人情報が漏洩(ろうえい)した取引先や学校法人「角川ドワンゴ学園」の生徒らに支払う可能性がある補償金が、影響額に含まれているかは明らかにしていない。夏野剛社長はこの日開いた24年9月中間決算の会見で「実害が発生しているかヒアリング調査を進めている。必要に応じてそういう補償を考えていきたい」と述べた。(井東礁)
朝日新聞社