<メジャーリーグ>チャンピオンリングを巡るいい話
大リーグの宿敵関係を越えた“ちょっといい話”が全米で話題になっている。レッドソックスのファンが紛失してしまった2013年のワールドシリーズチャンピオンリングが、なんとライバルのヤンキースファンの手によって持ち主に戻ってきたというストーリー。元々はAP通信が報じ、それが、全国紙の「USA TODAY」紙や全国スポーツネットの「ESPN」など多くのメディアに取り上げられた。 同記事によると、マンハッタンのレストラン「ルークズ バー&グリル」を経営しているルイジ・ミルテロさんが、24日の夜に自分の店のトイレの洗面台にキラキラと輝く2013年のワールドシリーズチャンピオンリングを発見した。ホワイトゴールドの土台に、ダイヤモンドとサファイア、ルビーが併せて14カラットがあしらわれた豪華リングは、まさしく、レッドソックスのロゴが入った本物のチャンピオンリングだった。 落とし主は、その日、早めの食事をとったドルー・ウェーバーさん。ニューヨークのビジネスマンである同氏は、同時にマサチューセッツ州にあるレッドソックス傘下のシングルA、ローウェル・スピナーズのオーナーでもある。大リーグがワールドシリーズで優勝すると、組織全体の要職者にもチャンピオンリングを進呈するケースはよくある話。レッドソックスは正式にその指輪の資産価値を明かしていないが、例えば、2004年のチャンピオンリングは現在3万ドル(300万円)の価値があると言われている。 初めてチャンピオンリングを身につけて外出したウェーバーさんは「自分の指をみたら、リングがない。アパートの部屋を探していたら、動悸が始まって、額から汗が滴り落ちて来た」と振り返り、ミルテロさんは「なんてこった。でっかい(リング)な。誰がここに放置したんだろう。僕は、ヤンキースの大ファン。こんなことが起きるなんて」と、AP通信の取材に語っている。 ウェーバーさんは、藁にもすがる思いでレストランに電話して、ミルテロさんが保管していることを確認できたが、「ヤンキースとレッドソックスの関係なら、彼はシラを切ることだって出来たはず。一体、どんなヤツなんだ」と考えたとか。翌日レストランを訪れて指輪を取り戻した後、2人は約25分間に渡って野球談義に興じたという。