リスキリング注力度ランキング 人材投資こそ成長の鍵だ
2024年10月24日発売の「Forbes JAPAN」12月号では、「新・いい会社100」特集と題して、全上場企業対象、独自調査・分析で作成した、「ステークホルダー資本主義ランキング」「自然資本ランキング」「脱炭素経営ランキング」「サプライチェーンランキング」「リスキリングランキング」などを紹介している。それぞれのランキング上位企業、計8社のCEOインタビューや早稲田大学商学部教授のスズキトモ氏、東京大学大学院経済学研究科教授の柳川範之氏らのインタビューコラム等も掲載している。 有価証券報告書で人的資本の情報開示が義務付けられてから1年以上がたった。日本企業の多くが人的資本経営の具体策として掲げるのがリスキリングだ。少子高齢化が進む成熟社会でグリーントランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めるためには、従来のキャリアやスキルにとらわれることなく新たな分野に挑戦し、活躍する人材の育成が急務だ。 マーケットの成長が見込まれる分野に進出するためにも、日本企業は従業員のリスキリングに力を注ぐ必要がある。では、リスキリングの必要性を強く打ち出している日本企業はどこか。東証プライム上場リスキリングランキング企業の統合報告書やESGデータブックをテキストマイニングし、リスキリング関連のキーワードの出現数が多い順にランキング化したのが上の表だ。上位には、脱炭素に向けた取り組みが急務の自動車や、90年以上続く看板商品が企業の成長をけん引してきた食品・飲料、ビジネスモデルの変革やDXが求められる金融業界の企業などが名を連ねた。 ※ランキング算出方法 東証プライム上場企業1644社のうち統合報告書やESGデータブックを開示している企業1083社を対象に調査を実施。主に2023年度の統合報告書やESGデータブックについて、「リスキリング」「スキル開発」「人材育成」「デジタルトランスフォーメーション」「キャリアパスの多様化」など36のリスキリング関連ワードでテキストマイニングを実施し、ワードの出現数をカウントした。なお、統合報告書などの目次に出てくるキーワードも出現ワードとしてカウントしている。 ■リスキリングランキング 企業名|業種|関連ワード出現回数 1|トヨタ自動車|輸送用機器|159 2|ヤクルト本社|食料品|136 3|三菱UFJフィナンシャル・グループ|銀行業|128 4|SOMPOホールディングス|保険業|127 5|ユニ・チャーム|化学|122 6|伊藤忠商事|卸売業|120 7|小松製作所|機械|115 8|日本製鉄|鉄鋼|112 9|UTグループ|サービス業|110 10|ソフトバンク|無線・通信業|110 11|三菱重工業|機械|109 12|ヤマハ|その他製品|108 13|山陰合同銀行|銀行業|102 14|三井化学|化学|99 15|イオンモール|不動産業|97 16|日油|化学|89 17|大阪瓦斯|電気・ガス業|87 18|日本郵政|サービス業|83 19|ENEOSホールディングス|石油・石炭製品|83 20|東レ|繊維製品|82
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