障害者アートをレンタル 長野県が希望する団体に有料で
長野県は、障害のある人たちが創作したアート作品の、企業や団体などへの有料レンタル事業を始めた。事務所や店舗などに展示してもらい、多くの県民が作品を鑑賞することで障害への理解を深めるとともに、障害のある作家のやりがいにもつなげる。レンタル料の一部は作家に還元し、経済的な自立に向けた一助とする。 県は、障害のある作家による不思議な魅力の作品を「ザワメキ」と表現し、「ザワメキアートレンタル事業」と名付けた。12月に始まり、希望した3団体と、27日までは県庁と各合同庁舎にもレンタル作品を展示している。 県庁の入り口近くには、市民タイムスの連載「いも虫みたいな手指で描く」でもおなじみのカミジョウミカさん=安曇野市=の作品「カラフルゴーストもりもりです」が展示され、来庁者の目を楽しませている。県松本合同庁舎には、中澤要明さん=松本市=の作品が展示されている。 レンタル事業は、県障がい者芸術文化活動支援センター(ザワメキサポートセンター、長野市)が実施主体となり、作家の了解が得られた登録作品の中から、企業や団体が選んだ作品のレプリカを貸し出す。レンタル料は1カ月4000円(作家の希望価格の場合もあり)で、レンタル期間は3カ月以上とする。最初の3カ月は運搬や額装などの諸経費がかかるためレンタル料の25%が作家に還元され、4カ月目以降も同一の作品をレンタルした場合は全額(100%)が作家の収入になる。 担当の県障がい者支援課は「作品を見てもらい、障害のある人たちとの交流の拡大につながればうれしい」としている。
市民タイムス