正常進化を果たした国内最高級サルーン「トヨタ・アルファード」【最新ミニバン 車種別解説 TOYOTA ALPHARD】
豪華絢爛な新装備を大量投入 乗り心地や走りが飛躍的向上
今ではミニバンというより国内VIP御用達高級サルーンの代表選手となったアルファード/ヴェルファイア(以下、アルヴェル)は今夏、8年ぶりに刷新された。もはや日本の風景に完全に溶け込んだ日本の定番高級車ゆえ、新型の内容もまさに王道の正常進化というほかない。 【写真】トヨタ・アルファードの詳細を見る
エクステリア
ボディサイズは全長が先代比で45mm増えただけで、全幅とホイールベースは先代とピタリ同寸、全高もほぼ変わらず。2列目は独立キャプテンシートのみで、装備によって「エグゼクティブパワーシート」と「エグゼクティブラウンジシート」の2種類がある。3列目シートも先代同様の跳ね上げ式。スタイリングも抑揚と迫力を増しつつも、特徴的なサイドグラフィックなどを受け継ぐ。このように、基本的なパッケージレイアウトやデザインはキープコンセプトながら、ハードウェアはほぼすべて新しい。多機能な大型ルーフセンターコンソールや下降型パワーサイドサンシェードなどの新機軸の類も、ここでは書ききれないほど大量に投入されている。
乗降性
先代までのアルヴェルは販売チャンネルと外観の細部が違うだけの、事実上同じクルマだった。しかし、2020年5月からトヨタの国内販売体制が「全販売店で全車種取り扱い」に変わったことで、新型では両車の位置づけも変わっている。先代では途中からアルファードの販売台数の方が多くなっていたこともあり、新型では開発途中までヴェルファイア廃止の予定だったとか。ただ、最終的には、以前からヴェルファイアを社用車として使っていた豊田章男社長(現会長)らの要望もあり、2モデルとも生き残ることになった。「ドライバーズミニバン」として走り色を強めたヴェルファイアに対して、アルファードは王道というべき高級サルーンの味わいを強調している点が異なる。パワートレインも主力の2.5lハイブリッドこそヴェルファイアと共有するが、手頃かつ穏やかな2.5l自然吸気は、アルファードにしか積まれない。