変わり果てた娘に母「遺体は殺意の痕だらけ」遺族が涙こらえ悲痛な陳述 妹「大切な、大切な、私のお姉ちゃん返して!」放射線技師を夢見た20歳の女子大学生を刺殺 元交際相手の男に懲役20年求刑 2月13日に判決
“成人式の写真が最後になった” “遺体は殺意の痕だらけだった” “思い出を生きる力に変えなければ” 【画像を見る】亡くなった大田夏瑚さん(事件当時20) 胸が張り裂けそうになる遺族の陳述が、法廷に響いた。将来ある20歳の女子大学生が、元交際相手の男に殺害された事件。男は法廷で謝罪の言葉を口にはしたが、事件当時のことは覚えていないという旨の供述に終始した。 検察は「憐憫の情すら感じられない残酷な犯行」と、懲役20年を求刑した。
事件直前に交際を解消も… 再び被害者宅を訪れ感情が爆発か
山本巧次郎被告(24)は、2022年8月に堺市西区で、元交際相手の大田夏瑚さん(当時20)を殺害した罪に問われている。事件直後の供述や、目撃情報、遺体の状況から考えられている、事件の構図は次の通りだ。 2020年から交際・同棲していた山本被告と大田さん。しかし、大田さんが別の男性と外泊したことをきっかけに、事件の数日前に2人は交際関係を解消した。別れは山本被告から切り出した。 けれども事件当日、山本被告が復縁を求める。携帯電話の履歴によれば、被告が大田さんに「位置情報変えてたら許さないからね!」「会いたいよ」などとメッセージを送り、大田さんは「別れてるんやからそんなこと言わないで!」と返信している。 その日の夜、“置いていたスーツを取りに行く”という名目で、大田さんの自宅(集合住宅4階)を訪れた被告。そこで感情が爆発し、キッチンにあった包丁で、大田さんの両脚を10か所以上切りつけ、さらに右わき腹を刺した。逃れようとした大田さんはベランダから飛び降り、路上で息も絶え絶えの状態だったが、周囲に助けを求めた。 しかし階段を駆け下りた山本被告が、倒れていた大田さんに馬乗りになり、包丁で胸を複数回刺した。刺し傷は心臓や肺に達し、大田さんはその場で失血死した。 目撃者は法廷で、「救急車を呼ぼうとした際、振り返ったら被告が走ってきた。走ったままの勢いで、乗りかかるようにして被害者を刺した」と、当時の緊迫した状況を証言している。