風呂上がりの和田毅投手は敵地での戦い方を教えてくれた 秋山元監督に背中を押され指導者に 元中継ぎ金無英さんが明かすレジェンドの金言…【第2期OTTO!学生スポーツゼミ⑦】
西スポWEB OTTO!が主宰する2024年度学生スポーツゼミの第7回講座は、福岡ソフトバンクホークスの元投手で日本経済大(福岡県太宰府市)野球部コーチの金無英(キム・ムヨン)さんをゲストに招き、西日本新聞天神南ビル(福岡市)で開かれた。金さんの現役時代にホークスのマーケティングやブランディング戦略を担っていた市川圭之介・日本経済大教授がゼミ長としてインタビューを担当。韓国から日本の高校に野球留学した金さんは、ドラフト指名されたときの喜び、ホークスで数々のスター選手との忘れがたい思い出話を披露。現役引退後、指導者となって知った選手を育てる醍醐味を受講生に語った。 ■ゼミを終えて「野球選手や監督の見方が変わった」学生たちのコメント【一覧】 ■プロの球筋にびっくり 金さんが登壇したのは、奇しくも24日のプロ野球ドラフト会議を前にした絶好のタイミング。福岡の注目候補選手を問われた金さんはこう語った。 「九州産業大の浦田俊輔内野手。足の速さは今年のドラフト候補でトップクラス。あとはうち(日本経済大)の林冠臣(りん・くぁんちぇん)外野手。台湾から来て身長が195㌢あり、ドジャースの大谷翔平選手より大きい。ポテンシャルはソフトバンクの柳田悠岐選手級だ」 金さんは韓国・釜山出身。山口県の早鞆高から現・日本経済大、四国・九州アイランドリーグの福岡レッドワーブラーズを経て2008年にドラフト6位でソフトバンクに入団した。 「プロ入りして驚いたのは、プロの投手の球筋。中でも絶対的なクローザーだった馬原孝浩さん。軽いキャッチボールでも低く伸びてくるのにびっくりした。あれは芸術。お金を払ってでも見たいキャッチボールだった」
野球に懸ける攝津投手の強い気持ちの源は
「彼はドラフト指名されるとずっと言われながら、なかなか声が掛からなかった。苦労した時間が長い分、野球に懸ける気持ちが強かった」 金さんの同期入団の攝津正さんについてこう振り返った。攝津さんは社会人野球を経て、プロ選手としては遅い27歳でプロ入り。ソフトバンクで中継ぎ、先発として大車輪の活躍をした。 プロを目指す選手にとって悲喜こもごものドラマが繰り広げられるドラフト会議。金さんは「夢が叶って飛び上がるほどうれしかった。親にも喜んでもらえて。一方でこれから頑張らなければならないといけないと気を引き締めた」と自身の記憶をたどった。 憧れだったプロの世界は、覚悟していた以上に厳しかった。