のと楽、11月に本格再開 和倉・海沿い旅館で震災後初 組合加盟施設4軒目
能登半島地震で被災した七尾市和倉温泉の旅館「のと楽」が11月1日、本格的に営業を再開する。旅館協同組合の加盟21施設で4軒目の一般客受け入れとなり、七尾湾側に立つ施設では初めて。北陸を代表する湯のまちが復興に向けて一歩ずつ歩んでいる。 加賀屋や多田屋、美湾荘など海沿いの旅館は護岸崩落の影響で建物の改修が遅れている。一方、和倉温泉駅側に立つのと楽の護岸は目立った被害はなく、釣りができる桟橋も無事だった。客室や浴場の工事完了にめどが立ったことから震災前の営業体制に戻す。 のと楽は元日の地震で本館の建物が壊れ、客室や受付カウンターなどが被害を受けた。3月末まで断水も続いたが、4月から被害が少なかった本館の中階層、別館「ガーデン能登屋」で復興支援の業者らを受け入れてきた。 和倉温泉では陸地側で一部の宿泊施設を除いて復旧が進み、「花ごよみ」「宝仙閣」「湯の華」が一般客の受け入れを再開している。のと楽は外壁や客室の改修を進めており、10月からプレオープンする。谷﨑康織常務は「和倉に再び活気が戻り、能登に大勢の人を呼び込むきっかけになればうれしい」と話した。