介護職に従事する女優・北原佐和子が常に心掛けていることとは。「上から目線、流れ作業…利用者はすべてを敏感に感じとる」
◆お年寄りの「心は磨かれている」自分にウソをつかないコミュニケーション 私に足りない点がたくさんあっても、今の高齢の方々は、合わせてくださいます。また、「しょうがないなぁ」と諦めてもくださいます。 許してくれるのですね。 加えて、余計なことはあまり言いません。 そして、認知症が進むと、ところどころわからない部分も出てくると思うのですが、高い協調性をもち合わせてもいるのです。戦争を体験されて、ともに助け合って生きてきた経験の多さからかもしれません。 長い時間、たくさんの経験を積んで生きてこられたので、心がピカピカに磨かれている方が多い気がします。 なんでも見通せる神通力を備えた仙人がそこにおわします、みたいな厳かな雰囲気を感じるときもあります。 取り繕っても、すべて見透かされている感じ。 よく思われようとうわべだけ整えても、通用しません。 さて、どうしましょう。
◆ひとつの基準 私は、自分がされてうれしいかどうかを、ひとつの基準にしています。 大切にされていると感じる。 きちんと考えてもらっていると思える。 私基準なので、相手の感性にそぐわないこともあるでしょうが、その方を大切に思い、尊敬している気持ちにウソはありません。 そうした自分自身にウソをつかないコミュニケーションなら、たとえ相手にはねのけられても、落ち込むことなく前に進めます。 ※本稿は、『ケアマネ女優の実践ノート』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。
北原佐和子
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