ベーシックこそ追求したい。3人の女性ベイカーが作る新しいベーカリー「QUOI(クワァ)」(大阪・本町)
小麦の味を最大限に引き出すシンプルなハード系7種&クッキー
3人の職人が焼き上げる「QUOI」のパンは、“8種類であること”が基本ルールとのこと。パンが7種、アメリカンクッキー1種が店頭に並んでいます。商品ラインアップ的には、誤解を恐れずに言えば「地味」な並び。飾り気のないシンプルなものばかりです。実はこの8種類、パン製造の基本技術が入っているラインアップ。ベーシックなものだからこそ、一つひとつの工程・製法にじっくりと向き合いたい。美味しくする改善を繰り返し、常に「なぜ? 」を問い続けていきたいと話してくれました。写真は「カレーパン」。中にカレーフィリングを詰めて揚げるのではなく、ブリオッシュ生地にスパイスを練り込んだスタイルで、関西では珍しいカレーパンです。志賀シェフに許可をもらい、「シニフィアン・シニフィエ」のレシピを使っているそう。人気のクロワッサンは少し大きめに見えますが、しっかりとバターの層を作っているのでここまで膨らむのだそう。つやつやに焼き上げられる美しいビジュアルです。その他、パン・ド・ミやバゲット、チャバタ、カンパーニュなどシンプルなハードパンがラインアップ。ベーグルはプレーン・胡麻ケシ・塩の3種セット。モルト(麦芽糖)を使っていることで、醤油を塗っているかのような香ばしさが残るベーグルも、連日売り切れの人気っぷりなのだとか。
特製ディップソースでパンの新しい楽しみ方を提案
シンプルなパンは製法や素材によって変わる奥深いもの。けれど、消費者にとって嬉しいのは、それだけではありません。シンプルだからこそ、野菜や肉を挟んでみたり、シチューにつけてみたり…楽しみ方も自分次第。「QUOI」にも、特製ディップソースが販売されているので、こちらもチェックしてみてください! 日によって違いますが、クリームチーズ・黒胡椒・ピスタチオ・トムヤムクン・生ハムなど様々。自分の手でプラスアップしていける体験が用意されています。素材そのものを楽しむもよし、ディップで様々に味変させて自分好みでカスタマイズするのもよし。もちろん、シチューやアヒージョといったお料理・おつまみにも合うのです。「フィリングタイプのカレーパンだと、味がひとつに決まってしまいますよね。それはそれでいいと思いますが、お客様の手元で、好きなスタイルで、自分がアレンジしやすいと、パンの楽しみ方ってもっと広がると思うんです。ベーグルもカットして食材を挟めばサンドにもアレンジできます。その気になればデコレーションもできるので、幅があるんです」「経験が長くなるほど、ともすれば『こうであるべき』『これが普通』と思い込みがちです。でもこれだけお店やパンが色々あるから、正解なんてないと思います。私が大事にしたいのは固執しないこと。常に美味しさを求めて、柔軟にパンを作り続けたいです」 About Shop QUOI(クワァ) 大阪府大阪市中央区瓦町3-2-13 営業時間:11:00~19:00 定休日:月曜日、火曜日
ウフ。編集部 あかざしょうこ