玉川徹、兵庫県知事のパワハラ告発問題「記憶にない」発言に言及「非常に官僚的なニュアンスを感じる」「国会の証人喚問だと“記憶にございません”は定番」
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」レギュラーコメンテーターの玉川徹とフリーアナウンサーの原千晶がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「ラジオのタマカワ」。「テレビではまだ出せていない玉川徹の新たな一面を発信!!」をコンセプトに、ビジネス、キャリア、マネー、カルチャー、エンタメ、音楽など、さまざまなジャンルをテレビとは違った角度から玉川が深掘りしていきます。 9月19日(木)の放送では、上智大学 文学部 新聞学科 教授の奥山俊宏さんがゲストに登場。今、話題となっている公益通報者保護法や内部告発制度について伺いました。
◆公益通報者保護法について解説
番組では、今気になるニュースについて当事者や識者の方にお話を伺います。今回取り扱うニュースは「兵庫県の斎藤元彦知事が内部告発された問題」について。 内部告発者の保護法制に詳しく、9月5日(木)に開かれた兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」の参考人として出席した、奥山俊宏教授から詳細を伺います。 兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラ疑惑などを内部告発された問題を巡り、百条委員会は斎藤知事や辞職した片山安孝前副知事ら側近3人を証人尋問しました。自身のパワハラなどを告発する文書を作成した職員(7月に死亡)を処分したことについて、斎藤知事は「適切だった」と発言。また、文書に記された複数の職員に対する叱責に関しては「合理的な指摘だった」などとして、パワハラをおこなったことを認めませんでした。 玉川:今回、もっとも大きな問題というのは、公益通報者を守れないどころか潰しにかかったんじゃないかという点なんですよね。 奥山:そうですね。これまで内部告発者に関する嫌がらせや弾圧、不利益な扱い、解雇するといった例はままありました。ですが、兵庫県庁のような何千人もの職員を抱える大きな組織のトップが、権限を使って組織をフルに動かして弾圧する事例はこれまでそれほどありませんでした。しかも、内部告発された方が自ら命を絶たれるという結末になるのは、世界においてもそんなにたくさんあることではないと思います。 玉川:マスコミでも大きな問題になっているんですけども、「公益通報」ということを今回初めて知った方も多いと思います。会社のなかにいて上の人から理不尽なことをされるのは昔からよくあった話ですけども、それは多くの人が我慢してきたわけです。そもそも、公益通報が制度としてできたのはいつぐらいですか? 奥山:2000年ごろに議論は始まっています。当時、大手自動車メーカーが欠陥を隠していた事件がありましたし、あるいは原子力発電所の原子炉内の部材にひび割れがあるのを隠していたというケースなどもありました。そうした事実が、その会社に勤めている人、あるいは業務委託を受けて仕事をしていた人による監督官庁への情報提供によって判明したんですね。不正が正された結果、多くの人が助かったかもしれない。そんな出来事が2000年から2003年ぐらいにかけて相次いで発覚しました。 玉川:なぜ公益通報と言うかというと、通報がなければ悪い状態が維持されてしまって、それが公益に反するということですよね? 奥山:そうです。公は私たち国民、一般の人たちを指していますけども、その利益を助けるための内部告発を公益通報と言います。内閣府の旧国民生活局の人が2002年に考え出した言葉です。もともとイギリスに公益情報開示の法律が1998年に成立しているんですけども、それを見倣って言葉や制度を導入し、2004年に国会で可決して公益通報者保護法となりました。施行されたのは2006年4月のことでした。