住宅ローンの金利推移(変動・固定)は? 最新の動向や金利タイプの選び方も解説【2024年9月】
市場金利(長期金利)の動向と推移
住宅ローン金利に影響を与える日本の市場金利も見ておきましょう。 市場金利と住宅ローンの関係は? 住宅ローンの全期間固定(フラット35)、10年固定金利などは、10年国債金利と連動性が高いと言われています。 住宅ローンの変動金利は、日銀の政策金利(7月の金融政策決定会合で0~0.1%程度から0.25%程度に引き上げが決定)との連動性が高いと言われています。 どちらも日銀の政策次第で、将来的には上昇していく可能性があります。 国債買い入れ額の減額で長期金利は上昇に向かうか 2024年3月に開かれた金融政策決定会合では、マイナス金利政策と長期金利をコントロールするYCC政策が、ともに撤廃されました。 ただし、長期金利が急激に上昇する場合は、機動的に国債の買入れ額の増額などで対応するとしており、金融緩和的な立場は継続していました。 そして7月の金融政策決定会合で、国債の買入れ減額を決定。毎月6兆円程度買入れていた国債は四半期ごとに4000億円ずつ減額され、2026年1~3月に3兆円まで減らす方針としました。 国債買い入れの減額となると、長期金利は上昇すると考えられます。住宅ローンの固定金利は長期金利に連動するため、今後は固定金利のさらなる上昇が予想されます。 2024年9月2日の10年国債金利は0.912%です。2024年5月に10年国債金利は11年ぶりに1.0%超えとなりましたが、8月以降は0.9%台を推移しています。引き続き、今後の金利動向に注視する必要があります。 世界的な金利高の中で、日銀は今なお低金利政策を継続しています。そのため円安が進んでいるのが現状です。円安はインフレを加速する可能性があり、今後の金利動向は予断を許しません。 なお、市場金利が上昇することで、銀行の資産運用のスタンスが変更となる可能性があります。 これまでは国債金利が0%近辺であったため運用の魅力が乏しく、住宅ローンを積極的に獲得してきましたが、国債金利が上昇してくれば、「安全な国債で資産運用しよう」という銀行が増える可能性があり、結果として住宅ローンを無理に低金利で獲得する必要がなくなります。 こうした銀行の資産運用の面からも、住宅ローン金利が上昇する可能性があります。
淡河範明