WBA王者の調印式ドタキャンで井岡一翔の大晦日世界戦が中止危機?!熱発が回復していないのか、それとも減量苦か…前日計量を前に臆測飛び交う…ドクターストップの可能性も
「調印式の中止の前例はないですね。とにかく明日の状態を見ないと何もわからない。試合だから、詳しいインフォメーションは流さないので、こちらは状況を把握していません。想定されることとしてウエイトの問題もある。それもあってコンディションを整えたいということだと私は判断しているが、現時点では、何もインフォメーションがないのですべてが推測でしかありません」 前日計量の前には医師による検診も行われ、目安としては体温37.5度以上が危険信号だという。安河内氏は、「ウエイトを落とすと体温も上がるので、その数値で決めることはないが、健康診断で全体の状況を見てストップをかけることもある。慎重に診断することになる」と、インフルの流行もあることからなんらかの異常が認められればドクターストップがかかる可能性があることを明かした。 過去には2021年12月に当時WBO世界バンタム級王者だったジョンリエル・カシメロがポール・ハドラー(英国)との世界戦の前日計量をウィルス性胃腸炎を理由にドタキャンして試合が中止になったこともある。この時はWBOがカシメロ側に10日以内に診断書を提出することを命じてタイトルは剥奪されなかった。 またそれ以上に懸念されるのが減量の失敗だ。井岡陣営、JBCは共に計量オーバーを危惧している。公開練習をドタキャンした際にカラブレッセ氏は、リミットの52.16キロまで、残り2キロであることを明かしたが、これも本当かどうかはわからない。計量をオーバーした場合は、マルティネスの王座は剥奪され、WBA及び両陣営の協議の上で試合を行うかどうかが決定される。 井岡が、昨年6月にWBA世界同級王者のジョシュア・フランコ(米国)と再戦した時も、フランコが前日計量で3.1キロをオーバー。2時間の猶予後に再計量が行われたが2.9キロオーバーで王座剥奪。当日の計量で58.97kg以内という条件で試合が敢行され、井岡が判定勝利してベルトを獲得した。 また今回はセミファイナルで、WBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦が組まれており、元OPBF東洋太平洋フェザー級王者で、同級9位の堤駿斗(志成)が同級14位のレネ・アルバラード(ニカラグア)と対戦する。もし井岡とマルティネスの世界戦が中止となった場合にその堤の試合をメインに繰り上げて、興行を行うのか、それとも興行事態を中止にするのかも検討中で方針はまだ固まっていない。 今回の世界戦を無料ライブ配信するABEMAの北野雄司エグゼクティブ・プロデューサーも「我々も今連絡を受けたばかり。明日の計量に王者のマルティネス選手が出席できるのかどうかも含めて情報はありません。井岡さんの試合が中止になっても興行そのものが行われるのであればライブ配信する予定でいます」と動向を見守り対応していく方針であることを明かした。 芳野プロモーターは「何か状況に変化があればすぐに皆さんにお伝えします」と付け加えたが、井岡が「何度も立ち上がる姿を証明したい。必ず王座に返り咲く」と誓った運命のダイレクトリマッチはゴングを目前に控えて五里霧中だ。
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