ＪＲ大分駅前の広場にあった授乳室が２３日閉鎖されます。 背景にあるのは悪質な利用の実態でした。 大分市の調査で意外な事実もわかりました。 手洗い場やその周辺に散乱する食べ物や飲み物のごみにたばこの吸いがら。 流しにはたばこで焦がしたような跡も残っています。 下野アナ 「被害はそれだけではありません。９月末には入口入って向かいの壁に穴が開いているのが見つかりました」 大分市によりますと、穴は直径５０センチほど。 ９月２０日の午後３時から１０時の間に開けられたとみられていて警察が建造物損壊の疑いで捜査しています。 屋外トイレと共に立ち並ぶＪＲ大分駅前の授乳室。 大分市が２０１７年に子育て支援として整備しましたが２年前からごみの散乱が目立つようになったそうです。 市は張り紙やパトロールでたびたび注意換気をしてきましたが改善されなかったためやむなく２３日の午後５時で閉鎖することにしました。 大分市まちなみ企画課　神野潔課長 「今回のような壁に穴があけられるという事案が発生したので安全面に一層配慮する中で今回の決断（をした）」 本来は授乳のために使われる場所。 市の防犯カメラの調査で見えてきた意外な利用実態とは。 供用開始から７年半で閉鎖することになったこの授乳室はこんな場所でした。 午前６時から午後１０時まで利用することが出来ました。 鍵の付いた個室で授乳やおむつの交換をする ためのスペースです。 １日に２回市の委託業者が清掃に入っていて冷暖房が完備されています。 壁に穴が開いていたことをきっかけに、市が防犯カメラで、出入りする人を調べました。 その結果、９月１７日からの７日間と１０月１２日・１３日のあわせて９日間でのべ７４人の利用があったそうです。 その内訳が意外なものだったんです。 ７４人のうち適正な利用と見られる人は・・・乳幼児を連れた１組の２人のみ。 それ以外が７２人でした。 男女の内訳は男性が５２人、女性が２２人です。 防犯カメラで確認できた範囲ではたばこやカップラーメンのようなものを持って入る姿が確認されています。 では、ごみが散乱するなど同様の被害は他の場所でも確認されているのでしょうか。 大分県によりますと、県内でおむつの交換や授乳が出来る場所はあわせて５６１カ所あります。 これまでのところ同様の被害は確認されていません。 市や県によりますと屋外にある授乳室はほとんどなく珍しいと言います。 一連の被害を受けて閉鎖が決まった授乳室。 大分市まちなみ企画課の神野さんは「子育て支援の後退になり非常に残念。子育て中のお母さんや赤ちゃんには入るためらいもあったと思う。申し訳ない」と話しました。 大分市が子育て支援にと作って管理してきた授乳室。残念ですが、２３日の午後５時に閉鎖されます。