「国家公務員」は高年収だけどブラック? 上限超えの残業を経験した人が「16%」も!
国家公務員と聞くと「高年収で安定している職業」だと感じる人は多いのではないでしょうか。しかし、上限越えの残業を経験した職員がかなり多いことが問題となっています。いくら年収が高くても上限越えの残業を強いられてしまうのは働く環境として問題があるといえるでしょう。 そこで本記事では、「国家公務員の平均給与」が本当に高いのか解説すると共に、上限越えの残業を経験した人がなぜ多いのかについて紹介していきます。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
国家公務員の平均給与は月41万円!
人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査」によると、国家公務員の平均給与は月額で41万2747円です。年額にすると495万2964円になります。この中には賞与は含まれていません。 令和5年度の国家公務員の賞与については、内閣官房内閣人事局 の報告によると6月賞与の平均支給額が63万7300円、12月賞与も同じく63万7300円です。合計で127万4600円が年間で受け取れる賞与になります。 これを平均給与の年額と合わせると、年収は622万7564円です。民間の平均給与は国税庁長官官房企画課の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると458万円なので、国家公務員は高年収といえるでしょう。
国家公務員の超過勤務の上限
国家公務員の超過勤務の上限は原則として月45時間以下、年間360時間以下となっています。しかし、国家公務員は各省庁によって業務が異なり、部署によっては時間外労働が多くなってしまう場合もあるようです。 例えば、特例業務と呼ばれる大規模災害の対応や重要な政策の法律立案、他国や国際機関との交渉といった業務が挙げられます。これらの業務は早急な対応が必要となるので、超過勤務をやむを得ないといった現状があるようです。 そのため、部署によっては月100時間以下、年間720時間以下、2ヶ月から6ヶ月の平均が80時間以下、月45時間を超える月は年間で6ヶ月まで、といった上限が定められています。
超過勤務の上限超えが16%も!
超過勤務の上限が広く設定されている省庁では、令和4年度に上限を超えて勤務をした職員が16%を超えていたという報告がされています。その総数は約1万2000人です。 多くの国家公務員が超過勤務の上限を超えて働いていたことが分かります。一般的な超過勤務よりも上限が広く設定されているにもかかわらず、多くの国家公務員が上限を超えていたのは驚きです。 上限を超えて行った「特例業務」としては国会対応業務が21%、予算・会計関係業務が12.4%と高い割合になっています。令和4年度は新型コロナウイルス感染症対策関連業務が7.3%となっており、令和3年度と比べて3.9%も低くなりました(令和3年度は11.2%)。 「特例業務」では、イレギュラーな対応が必要なものも多く、それだけ超過勤務も多くなってしまうようです。