AI関連の暗号資産がアルトコイン急騰を主導──第4四半期のビットコインのブレイクアウトが近づく
23日、人工知能(AI)関連の暗号資産(仮想通貨)が暗号資産市場の上昇を主導し、アルトコインはビットコイン(BTC)に比べて引き続き好調だった。 レイヤー1ブロックチェーンのニア(Near)、分散型コンピューティングプラットフォームのレンダー(Render)のそれぞれのネイティブトークンであるニアプロトコル(NEAR)とレンダー(RNDR)は、過去24時間で18~20%上昇した。この2つは、同期間に1.5%上昇した市場全体のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)の中で最も急速に上昇した銘柄だった。 分散型機械学習プロトコルのビットテンソル(TAO)は同期間に17%上昇し、上昇中だったライブピア(LPT)はさらに上値を伸ばした。ライブピアは、暗号資産投資会社デジタル・カレンシー・グループ(DCG:Digital Currency Group)のバリー・シルバート(Barry Silbert)CEOがX(旧Twitter)の投稿で「注目されていない暗号資産AIの投資機会」と呼んだことで上昇していた。ライブピアは、DCGの資産運用子会社が発行するグレイスケール分散型AIファンド(Grayscale Decentralized AI Fund)の構成銘柄となっている。 一方、ビットコインは遅れをとっており、1%未満の上昇にとどまっている。6万4000ドル(約928万円、1ドル145円換算)をわずかに下回る水準に位置する重要な200日移動平均線の回復に挑戦していた。イーサリアム(ETH)は3.5%上昇しており、相対的な強さを示した。 パフォーマンスが好調だったもう一つの注目すべき銘柄は、ブロックチェーンデータ可用性プロジェクトであるセレスティア(Celestia)のネイティブトークン、セレスティア(TIA)で、23日に12%上昇した。これは、セレスティアのエコシステム開発組織であるセレスティア財団(Celestia Foundation)がベイン・キャピタル・クリプト(Bain Capital Crypto)主導で1億ドル(約145億円)の資金を調達したというニュースを受けたものだった。この価格動向は、民主党の大統領候補であるカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏が資金調達イベントで、「AIやデジタル資産のような革新的な技術を奨励する」テクノロジーフレンドリーな大統領になると述べたと報じられたことで後押しされた可能性がある。 伝統的な市場では、金が史上最高値を更新し、株式は18日の連邦準備制度理事会(FRB)による50ベーシスポイントの利下げ以降の上昇を継続していた。 シカゴ連銀のオースタン・グールズビー(Austan Goolsbee)総裁は23日、これは来年にかけて複数回行われる利下げの最初のものになる可能性が高いとし、「今後12ヶ月間で、金利を中立に近くするためには長い道のりがある」と述べた。FRBの経済見通しでは、中立金利は3%近くになっている。