中国がEUに反発「中国の強い反対を無視した」 EVに最大38%追加関税受け対抗措置も
【北京=三塚聖平】中国商務省は12日に報道官談話を発表し、欧州連合(EU)欧州委員会が中国製の電気自動車(EV)について「不当な補助金を受け取っている」と暫定的に判断したことに対し、「欧州側は事実や世界貿易機関(WTO)のルールを顧みず、中国側の強い反対を無視した」と強く反発した。「強い不満」を表明し、対抗措置をとることを示唆した。 EUは12日、中国から輸入されるEVに最大38・1%の追加関税を課す方針を発表した。税率は現行の10%に上乗せされ、最大48・1%となる。 報道官談話は「EU側の今後の進展に重大な注意を払う」と表明。その上で「一切の必要な措置をとり、中国企業の合法的な権益を守り抜く」とし、EU側の出方に応じて対抗措置をとる構えを示した。 EU側は、中国が補助金によって価格の安いEVの輸出を促し、市場を阻害したとみて調査を進めてきた。バイデン米政権も5月に中国製EVなどへの関税を引き上げると発表している。 中国の自動車メーカーは欧州などへのEV輸出に本腰を入れており、昨年には世界各国の自動車輸出台数で日本を抜いて初めて首位となった。ただ、米欧との新たな貿易摩擦の火種となっており、中国の産業政策にも影響を与える可能性がある。