“中華圏のアカデミー賞”で「最優秀作品賞」受賞 映画『石門』日本公開決定&日本版ポスター公開
映画『石門(せきもん)』の日本公開が決定し、日本版ポスタービジュアルが公開された。 本作は、“中華圏のアカデミー賞”と称される台北金馬獎で日本資本の映画として初めて「最優秀作品賞」を受賞し、「最優秀編集賞」との2冠に輝いた作品。そのほか、ベネチア国際映画祭「ベニス・デイズ部門」、トロント国際映画祭、ニューヨーク映画祭、BFI ロンドン国際映画祭など世界の映画祭で上映され、高評価を獲得している。 監督を務めたのは、中国湖南省出身のホアン・ジーと東京出身の大塚竜治夫妻。中国と日本を拠点に活動するふたりは、これまでに女性の性に関する問題をテーマに映画を共同制作してきた。封建的な湖南省の農村で出稼ぎをする両親と離れて抑圧された生活を送る14歳の少女を描き、ロッテルダム映画祭タイガー・アワードを受賞した『卵と石』、学校で没収されたスマホを売ったことで、見知らぬ男たちと知り合うことになる16歳の少女を追った『フーリッシュ・バード』では、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14+スペシャルメンション賞を受賞した。 『石門』も、望まぬ妊娠に直面した20歳のリン(ヤオ・ホングイ)を主人公に、女性の前にある様々な壁を静かに見つめる作品。ホアン・ジー監督が『石門』とは「女性を取り巻く環境に存在する、打ち破りたくてもなかなか突破して先に進めない壁」 だと語る通り、重々しい“石”の“門”を開く一条の光を求める映画となっている。 撮影は、妊娠期間と同じ10カ月をかけて行われ、主人公が10カ月という期間の中で変化していく様を表現。また、全編固定位置で撮影された。撮影を担当した大塚は「人物だけを切り取るのではなく、社会の中に彼女が立っているという構図でこの物語を伝えたかった」と語っている。 公開された日本版ポスターには、大きな石の扉の前に立つヒロインの後ろ姿が。扉を押している彼女を縦のシンメトリーで写した構図は、女性を取り巻く厚い壁が象徴的に表現されたビジュアルとなっている。 映画『石門』は、2025年2月28日(金) より公開。 <監督コメント> ■ホアン・ジー この映画の共同監督である大塚竜治は、私のパートナーであり、夫でもあります。ある日、彼が言いました。「10カ月間撮影しよう」。それは、妊娠から子供が生まれるまでの時間であり、この映画が生まれる時間でもあります。この映画が石の扉を開けて、日本の皆さんに届くことを嬉しく思います。 ■大塚竜治 10カ月の撮影を終える直前にコロナが発生し、撮影は中断を余儀なくされました。その時、私たちは主人公のリンと同じように現実の中で迷い込み、出口を見失ってしまいました。しかし、最終的にその経験がリンの抱える痛みに寄り添い、彼女と共に重い扉を開くきっかけとなり、映画に新たな光を灯すことができました。ぜひ、映画をご覧ください。 <作品情報> 『石門』 2025年2月28日(金) 公開