「老いても口からごはんを食べたい!」鼻チューブ・胃ろう以外の選択肢「OE法」とは?
再び口から食べられるようになる
飲み込むときに口の周りや喉の筋肉を使うので嚥下の練習にもなり、続けることで再び口から食べられるようになる人もいます。 実際に私たちの施設でも、入居時には鼻腔栄養だった人が、OE法を取り入れると同時に少しずつ口から食べる練習をし、歯科医に協力してもらって入れ歯をつくり直した結果、大好きなにぎり寿司が食べられるようになったケースがありました。 常にチューブが入っている煩わしさからも解放されるので、経管栄養としては比較的メリットの多い方法です。 ただし、この方法に習熟した介護士や看護師が補助してくれること、本人が鼻腔栄養への拒否反応が強く、なおかつ意識がある程度はっきりしていること、チューブを飲み込んだとき「ゲーッ」という嘔吐反応がないことなどの条件を満たさないと、適用するのは難しいです。 『介護とは「親の“死に方”を選ぶ」こと…「後悔のない選択」は不可能だが、「意味のある選択」をするために必要なこととは』へ続く
髙口 光子(理学療法士・介護支援専門員・介護福祉士・現:介護アドバイザー/「元気がでる介護研究所」代表)
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