“スキー離れ”で来場者が3分の1に減少…蓼科高原エリア6つのスキー場がインバウンド誘致に本腰 オーストラリア中心に数百人の予約 共同スキー教室をオープン
長野県の蓼科高原周辺にある6つのスキー場が、インバウンド受け入れを本格化させる。スキー離れによる来場者の減少に直面する中、新たな誘客策として共同のスキー教室を今シーズンから開始。オーストラリアを中心に数百人の予約が入るなど、早くも手応えを感じている。地域の特性を活かしながら、インバウンド客との調和を図る新たな取り組みに、地元は期待を寄せている。 【画像】蓼科高原周辺の6つのスキー場
スキー離れで3分の1に減少
長野県長和町の「ブランシュたかやまスキーリゾート」。県内でも珍しいスキーヤー限定のスキー場だ。1985年のオープン時には18万7000人が来場したが、スキー離れの影響で昨シーズンは5万5000人にまで減少。誘客が大きな課題となっている。 同スキーリゾートの小林和夫社長は「単独でなくエリア全体でやっていかないといけない時代になってるし、それを避けては通れないと考えている。相当大きな期待をかけている」と語る。
6つのスキー場が連携し新会社設立
同じ悩みを抱える近隣のスキー場との連携を進めているのが、今回の取り組みの特徴だ。茅野市と立科町、長和町の蓼科高原周辺にある6つのスキー場は、3年前に新会社を立ち上げた。その中心となる事業が、インバウンドの受け入れだ。 8 Peaks Resort の矢島義拡社長は「周辺エリアの各スキー場がまず連携をとって海外からのお客様の誘客事業や受け入れ環境の整備を幅広くプラットフォームとしてつくっていかなきゃいけない課題感の中で立ち上げた」と説明する。
海外からの予約が数百人
今シーズンからは、6つのスキー場共同のインバウンド向けスキー教室を開講。北海道のニセコ地域や新潟の妙高高原で教室の運営経験があるが、「しらかば2in1スキー場」に拠点を作り、12月21日から営業を開始する予定だ。 すでにオーストラリアを中心に数百人の予約が入っているという。 スキー教室を運営するラングトリー・トムさんは「雪のクオリティがすごく高い。この地域にはたくさんのスキー場があって、海外から来るお客さんにとってはいろいろなスキー場を滑りに行き周遊できるのが楽しみの一つになる」と地域の魅力を語る。
地域との調和を重視
8 Peaks Resort の矢島社長は「もともとある地域資産もしっかり活用していきながら地域住民の皆さん、地域事業者の皆さんにも海外からお越しいただくお客様がしっかり(地域に)馴染みながらじっくりエリアとして成長していくことが大事だと思う、大事なステップの年と捉えたい」と今後の展望を語った。 蓼科高原周辺のスキー場が連携し、インバウンド誘致に本腰を入れる取り組みは、スキー場の再生だけでなく、地域全体の活性化につながる可能性を秘めている。 今後の展開が注目される。 (長野放送)
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