モンテッソーリ小学校で実践されている「子どもを勉強好きに変える」仕掛け
子ども自身が学習計画を立てる
子どもが主体なので、スケジュールも子どもが決めます。毎朝、自分で「今日は数をやろう」「地理をやろう」などと考えて、「ジャーナル」と呼ばれる計画表を作成するのです。 他の誰かではなく、自分で決めたので、子どもはしっかりスケジュールを守りやすくなります。特に児童期は責任感が芽生える時期なので、やることを自分で決めるというやり方は、とても有効です。おうちでも、宿題やお手伝いの時間を、お子さんに自分で決めてもらうと、スムーズに進むことがあります。 とはいえ、一方で、先生は小学校6年間で学ぶべき最低限の教養が習得できるように導きます。例えば、地理ばかり学びたがる子がいたら、他の分野にも興味が持てるようにレッスンプランを立て、他分野を紹介していきます。
異年齢の子どもたちで、グループ活動をする
「異年齢の子どもが混在するクラス編成」というのも、モンテッソーリ教育の小学校の大きな特徴です。さらに、子どもたちには数人のグループで活動してもらいます。なぜなら、児童期の子どもには、グループでの活動を好む傾向があるから。そのうえ、自分にはできないことができる人にあこがれる「ヒーロー崇拝」の傾向があるからです。 こうした傾向から、異年齢のクラスでは、小さな子が年上の子のマネをして、「自分もやりたい!」と共に活動する姿がよく見られます。 また、責任感が芽生え始めた年上の子どもが率先して下の子のお手本になったり、助けたりすることもあります。同年齢だけで過ごすより、異年齢のグループのほうが、こうした環境が発生しやすいのです。 ですから、親御さんは、機会があれば、自然環境で活動するボーイ(ガール)スカウト活動など異年齢の子どもが集まる場所に、お子さんを連れて行ってあげるのもよいでしょう。
知りたい内容を、深く学べる環境
分野を超えた「繫がり」を大事にするモンテッソーリ小学校では、教科ごとに内容がまとまった、いわゆる「教科書」がありません。では、何を参考に学ぶかというと、教科書に載っているような内容をバラバラにした教材を使います。 例えば、一般的な学校の教科書にもし「鉱物」が載っているとしたら、それは「理科」の教科書中の、ほんの数ページです。 一方のモンテッソーリ小学校では、「鉱物」の図鑑が棚に置いてあり、子どもたちは自分が興味を持ったタイミングで、それを調べることができます。 あるいは、もっと知りたければ図書館や博物館へ行って調べたりすることもあります。先生は、子どもが「知りたい!」と思ったときに、深く調べられる環境を整えておいたり、調べられる場所に導いて行ってあげたりすることで学びを援助しています。