「ユパ様よりもカッコいいかも…」ジブリ作品の「大人になったら魅力が分かるモテ男」
■多くを語らない寡黙な職人!『魔女の宅急便』パン屋のフクオ
1989年公開の『魔女の宅急便』は、角野栄子さん原作の児童書を原作に映画化された作品である。魔女見習いの少女・キキが一人前の魔女になるため、見知らぬ街・コリコで仕事に恋に奮闘していく姿が見どころだ。 本作で注目したいのは、キキが身を寄せるパン屋「グーチョキパン店」の主人・フクオだ。彼はパン屋のおかみ・おソノの夫で、パン職人をしている。 寡黙なフクオは作中ほとんどセリフがないのだが、あるシーンでは黒猫のジジが見ていることに気づいてオーブン用天板を両手でクルクル回し、バチンッとウインクしたりとお茶目な一面も見せている。また、作中で登場する「おとどけものいたします キキ」と描かれた、キキの“仕事用の看板”を作ったりと、彼女の仕事を陰ながら応援していたのも印象的だ。 とくに忘れられないのが、飛行船から転落しそうになったトンボをキキが無事救出したときのシーンだ。それをニュースで見てにっこり微笑んだフクオ。その顔からは、彼の優しさが溢れんばかりに滲み出ていた。 身重のおソノを気遣う様子、産気づいたおソノに駆け寄る姿からも、彼が良き夫であることは明白だ。そして、エンドロールでは無事に生まれた子どもを抱き、ミルクをあげていることからも、良い父親になっていくであろうことが想像できる。 実はファンの間で「結婚したい男性」として名前が挙がることが多いフクオ。彼の魅力は良き夫であり、優しい父であるところにあるのだろう。
■男らしくてかっこいい!『天空の城ラピュタ』ダッフィー親方
1986年公開の『天空の城ラピュタ』は、空に浮かぶ伝説の島・ラピュタをめぐって繰り広げられる冒険が、幅広い世代に愛される名作だ。 パズーやシータはもちろんのこと、空中海賊のドーラやシータを狙うムスカ大佐など、魅力的なキャラクターがたくさん登場する本作。ここで筆者が推したいのが、パズーの親方として登場するダッフィーだ。 ダッフィーは鉱山で働く機械工で、鉱山の採掘には欠かせない存在である。そして、両親のいないパズーにとって、親代わりのような人物だ。 冒頭のシーンでは過酷な鉱山での仕事風景が描かれているが、その際に部下のパズーに重要なエレベーターの操作を任せるシーンがあった。 「落ち着いてやりゃぁ、できる」と声をかけるダッフィー。失敗すれば、地下の仲間たちの命が危ない作業だが、パズーを信頼しているからこそ任せていたのだろう。 その後、空から落ちてきたシータが気になりブレーキをかけるのが遅れてしまったパズーに「ブレーキ!」と声をかけフォローする姿からも、彼が親方として頼れる存在であることが分かる。 さらにダッフィーは、パズーとシータがドーラ一家に追われ助けを求めた時にも、身を挺して守ってくれる。その際、ドーラ一家の長男・シャルルと力比べになるのだが、ダッフィーは少年のような顔で力比べに参戦。しまいには拳で殴り合う大ゲンカにまで発展し、町の人たちを巻き込んで、パズーとシータが逃げる時間を稼いでくれたのだった。 ちなみにこのシーンでは、力比べでビリビリに破いてしまったシャツを見た奥さんに「誰がそのシャツを縫うんだい?」と言われ、縮こまる可愛らしい一面も見せている。 頼れる親方としての器量、筋肉隆々とした体格の良さ、その反面、奥さんに頭が上がらない可愛らしい一面もあるダッフィー。そんなところに女心をくすぐられてしまうのは、筆者だけではないだろう。 魅力的なキャラクターにスポットライトを当てて作品を見返してみると、あらためてジブリ作品には素敵な男性が多いことに気づく。メインキャラクターだけでなく、悪役であってもどこか憎めない魅力を持っているのだ。 そして今回のように新しい視点で作品を見るのも、慣れ親しんだ名作の違った楽しみ方なのかもしれない。この機会に、ぜひ自分のお気に入り男子を見つけてみてはいかがだろうか。
もくもく