海外メディアは東京五輪前の吉田沙保里の引退に驚き「歴代最も成功した選手」「伝説選手引退は驚き」
女子レスリングの五輪3連覇を果たした吉田沙保里(36)が10日、都内のホテルで引退会見を行った。体力の限界ではなく「気持ちが追いつかなかった。すべてをやり尽くした」「若い選手へのバトンタッチ」を理由に来年に迫る東京五輪出場は狙わずに現役生活の幕を閉じることを明らかにした。 “霊長類最強女子”と評された日本の誇るトップ女子レスラーの引退のニュースは海外メディアでも取り上げられた。 米のNBCスポーツは「日本レスリングの伝説、吉田が引退を発表」との見出しを取り「2002年のシニアデビューから最初の119試合を勝ち続け、連勝は2008年1月まで続いた」と、負け知らずだった記録的な強さを称えた。 記事は「2012年の世界選手権で優勝した彼女は、世界選手権、五輪の連続優勝記録を13としてロシアの伝説的選手えあるアレクサンドル・カレリンの持つ12回連続の記録を破った」とも紹介。記録は、その後、3度の世界選手権を含め、連続優勝記録が「16回」にまで伸びたと偉業を伝えた。 五輪スポーツを伝えるOlympic Channelも、「五輪3度制覇の吉田が引退発表」との見出しを取り、「歴代の誰よりも世界タイトルを取ったレスリング選手が2020年東京五輪の18カ月前に36歳で引退する」と、自国開催の五輪前に引退を決めたことを驚きをもって伝えた。 記事は「2015年まで13年連続で世界タイトルを獲得。歴代の男子、女子選手を通じ最も成功を収めたレスリング選手となった」と、吉田の輝かしいキャリアに触れながら、引退を表明したツイッターを紹介。2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオと4度の五輪に出場して3つの金メダルを獲得した活躍を動画で振り返った。 「支配の確立」との小見出しを入れた記事では2004年のアテネ五輪後、「次の10年で世界選手権、アジア大会、五輪と、この競技で負け知らずだった。2001年から2008年まで119連勝を記録した」と説明。その後「新たなライバル」として、2012年の世界選手権で倒したヘレン・マルーリスが台頭。 「2016年リオ五輪で垂涎の対戦が生まれた。決勝でアメリカ選手(のマルーリス)が4-1で打ち勝ち、吉田に対して主要国際大会で初黒星をつけた」と、銀メダルに終わり五輪4連覇がストップしたリオ五輪の決勝戦が紹介された。