生産調整に否定的な首相の下で、小里泰弘農相が示した「コメ政策」への決意 週刊誌が報じた過去で再浮上する資質問う声にも言及 農水省で就任会見
小里泰弘農相(衆院比例九州)が2日、農水省で就任会見に臨んだ。農業者の所得向上をはじめ麦、大豆など輸入依存度の高い品目の増産を進め「食料安全保障の強化に全力で取り組む」と意欲を示した。コメ政策を巡っては「先入観を排し、農家が意欲を持ち生産を高めることができるよう模索する」と述べた。 【写真】〈別カット〉会見で質問に答える小里泰弘農相=2日、農林水産省
石破茂首相は総裁選を通じ「世界で税金を使い農地や農業生産を減らしている国はない」などと主張し生産調整に否定的だった。農家の所得を補てんする直接所得補償にも言及した。 小里氏は「総理は需要に応じた生産を否定していない」とし、「将来にわたり安定して運営できる水田政策を総合的に検討する」と説明。所得補償を巡っては「旧民主党政権下では生産性向上が阻まれるなどの指摘もあった。農業者の所得向上は最大のテーマ。直接支払いを中心に与党の意見も聞き進めたい」とした。 近年の子牛価格の下落を「畜産県から選出された議員として最も心を痛めている問題」とし、「生産者支援の緊急対策などにしっかり取り組み、現場に届く政策を心がけたい」と訴えた。 自民党幹事長に森山裕衆院議員(鹿児島4区)が就き、全国農業協同組合中央会は山野徹会長(鹿児島中央会長)が務め「鹿児島目線の農政にならないか」との懸念には、「地域を限定して政策をつくるわけではない。全国の農業者の皆さんに希望を持ってもらえるようにする」とした。
過去に週刊誌が女性問題を報じ大臣の資質を問う声もあるとの指摘に「閣僚としてしっかりと緊張感を持って職務を遂行していきたい。その一念だ」と答えた。
南日本新聞 | 鹿児島