中野美奈子さん(44)香川での子育ては「近い人間関係が心地良い」一方で感じる“格差”とは|STORY
子どもにとって、母親は私だけ。子育ての方がやりがいを感じています
フジテレビ「ポップUP」香川ライフ密着取材。初めて子どもとの撮影 ――いろいろな仕事をされていますが、子育てと仕事のバランスはいかがですか? 実は息子が一度、学校を行き渋りをしたことがありました。ちょうどその日私は仕事で東京に行かなくてはいけなくて。夫に任せて仕事に向かったのですが、飛行機を降りたら、着信履歴がたくさんで…「どうした?!」って驚きました。 長男が小学校1年生になって、思った以上に学校生活が大変だったことに、私は気づいてあげられなくて。「学校に行きなさい」って言ってはいけないというのはわかっていたんですが、「学校に行かなくていいよ」が言ってあげられませんでした。 その時も地元の繋がりに助けられて、高校の恩師が息子が学校を休んでいることを知って、相談にのってくれる方を紹介してくださいました。相談してみたら、子どもにとって、「安心できる居場所」を作ってあげることが大事だと知りました。それでやっと「学校に行かなくていいよ」って言ってあげることができました。「ママは仕事でいない、不安な気持ちを誰に言えばいいの」って思っていたんじゃないかと思います。それからは、子どもがしたいといったことを全部一緒にして、過ごしました。昼間の公園って誰もいなくて寂しいんですよ。不安でしたけど、めいっぱい遊んで、向き合って、そんな時間を数日一緒に過ごしていたら、子どもが自然に「学校に行く」と準備を始めて。子どもにとって母親は私しかいなくて、居場所になってあげなきゃと思いました。働き方と子育てについて考えさせられた出来事でした。 仕事も大変だったけど、子育ての方がいろんなことが起こります。その分やりがいも楽しみもあります。今は毎日が精いっぱいなので、子どもと楽しく、病気をせずに過ごしていきたいです。 ――地方移住に興味がある方に何かメッセージいただけましたらお願いします。 もし悩んでいるのであれば、一回飛び込んでみたらいいのではないかなと思います。急に移住するとなると勇気がいると思いますが、夏休みを利用してちょっと短い間滞在してみるとか。 あと、引っ越しをすると断捨離になります!身体と保険証、パスポートとベーシックな服があればそんなに荷物は要らないです。私はシンガポールから帰国する時は、食器も本もおもちゃも全部人に譲って、段ボール4箱で大丈夫でした(笑)。子どもがいると学校のこととかいろいろ考えることがあると思いますけど、荷物はそんなに必要ない。あとは勇気さえあれば移住できます。 私は香川が好きですし、香川の良さも伝えていきたいなと思っています。ひそかに香川に移住してくれる人が増えたらいいなと思っています。
香川県三木町の太古の森でのイベントに参加 取材/宮寺佳愛