認知症の人に買い物はムリ? 同じものをたくさん買ってきたときの対処法
認知症の方が、同じものを何個も買ってしまうことがよくあります。認知症の母(73歳)は、ジャムや中華そばなど、同じ食品を何個も買ってしまいます。最初はびっくりして、普通に注意していました。しかし、この症状に4年も付き合っていると、買い物の心理や介護する側としてやるべきことが見えてきました。今日は、同じものを買ってしまったときの対処法について、ご紹介します。
認知症の方が「買い過ぎた」場合の、一般的な対処法とは?
買い過ぎに困ったわたしは、まず認知症の本やネットで、対処方法を調べました。紹介されていたのは、 ・お店側に、あらかじめ事情を説明しておく ・店員さんから「明日のほうが安い、あとで自宅に送るから預かる」と伝えてもらう ・ご近所など、地域と連携する といったものでした。人口の少ない小さな町や、客数が少なく単価の高い商品を扱っているお店は、こういった対応が可能かと思います。しかし、人口が多い地域になると、店が大きく、スタッフもたくさんいて、周知徹底が難しいです。また、ご近所の方も、いつも目を光らせてチェックするというのは、現実的ではありません。わが家にとっては、いい対処法ではなかったのです。
認知症の人の「買いたい」という心理とは?
その瞬間に必要なものだと感じれば、反射的に買う、母を見ているとそのように感じます。 昨日もお店へ行ったことや、冷蔵庫の中身、賞味期限、今日の献立に必要なものなど、買い物の際に考えなくてはいけないことが、よく抜け落ちます。そのため、不必要なものを、重複して購入してしまいます。手に取ったモノの賞味期限ですら、今日が何日か分からないので、まるで意味を成しません。所持金がいくらで、いくらまでなら購入可能かという推測ができないことも多いので、うちは多めにお金を持たせています。 何個も購入する品物は、昔の買い物の習慣や何か意味のあるものを購入しているケースが多いように思います。例えば、見切り品はお買い得という、以前の節約習慣からつい購入してしまいますし、中華そばはラーメンがおいしいと褒められた記憶から、何度も購入するようです。