ビットコインが10万ドルに迫る──暗号資産の時価総額は過去最高の3兆4000億ドルに
ビットコイン(BTC)の価格は、この資産が初めて発行されてから15年近く経った今、10万ドルという節目の価格にあと1%強で到達する勢いだ。 11月22日の早朝には、BTC価格は9万9200ドルを上回り、その後9万8600ドルまで下落したものの、アジアの午後には9万9000ドルを維持していた。暗号資産(仮想通貨)市場全体の時価総額は過去24時間で4.5%上昇し、3兆4000億ドル(約527兆円、1ドル=155円換算)の記録的な水準に達した。これは主にBTCの2%上昇によるものだ(BTCは市場全体の時価総額の56%以上を占めている)。 アメリカで提供されているビットコインの現物ETF(上場投資信託)は、純流入額が10億ドル(約1550億円)を超えたことがデータで示されている。ブラックロック(BlackRock)のIBITは6億ドル(約900億円)の流入でこれを主導した。フィデリティ(Fidelity)のFBTCは3億ドル(約465億円)を超える流入を記録し、11のETFのいずれからも流出はなかった。 ビットコインの強さが、1月に就任する暗号資産に友好的なトランプ政権への新たな強気な期待感に後押しされ、週末を前に他の主要トークンのローテーションにつながっている。 イーサリアム(ETH)は過去24時間で9%近く上昇し、より広範な分散型金融(DeFi)セクターを追跡するさまざまな指数を少なくとも8%押し上げた。 注目すべきイーサリアムベースのミームコインであるモグ(MOG)やぺぺコイン(PEPE)は、イーサリアムの成長へのベータベットとして機能する傾向があり、27%も上昇している。 ソラナ(SOL)は8%上昇し、アメリカでのETF(上場投資信託)申請や投機取引におけるブロックチェーンの継続的な利用を背景に、260ドルを超えて高値を更新した。カルダノ(ADA)は12%上昇し、エックス・アール・ピー(XRP)に次いで主要通貨の中で2番目に高い上昇率を記録した。 XRPは25%急騰し、主要トークンの中で最も高い伸びを示した。これは、アメリカ連邦証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が1月に退任すると発表したことにより、アメリカ企業に関連するこのトークンにとって逆風がなくなったことが背景にある。 トレーダーたちは、短期的にはBTC価格が堅調に推移すると予想している。 「世界中の中央銀行による金融緩和の継続に伴い、BTCに対する需要は引き続き堅調だ。年末が近づくにつれ、BTC価格は引き続き下支えされるだろう」と、QCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーは22日のブロードキャストで述べた。「今週を通して、当社のデスクでは3月と6月のコールに積極的な需要が見られ、投資家の来年に向けた長期的な強気な見方が示された」。 2025年3月、6月、9月に満期を迎えるデリビット(Deribit)のビットコイン先物は、10万ドルを上回る価格で取引されている。現在、10万ドルの権利行使価格のコールオプションの建玉残高は20億ドル(約3100億円)を超えており、トレーダーが上昇を期待していることを示している。 しかし、今週初めに複数のCoinDeskの分析記事が指摘したように、10万ドルレベルからの短期的な反落は予想される。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Nears $100K, With Crypto Market Cap at Record $3.4T
CoinDesk Japan 編集部