『マイダイアリー』広海の心の闇が明らかに 佐野勇斗の“晴れやかな笑顔”を願って
たくさんの表情を持っている広海役の佐野勇斗
でも、今の広海には「おかえり」と迎え入れてくれる仲間たちがいる。「変かどうかは、誰かに決められるものじゃない。自分で決めるものだよ」と、靴下を交換してくれる優希だっている。「嫌なものに取り込まれそうになったときに、こんな状況だけど、そういえばわたしの靴下の片方、今あの人の家にあるんだよなと思ったら、自分ちゃんとあるって気しない? 徳永くんがちゃんとあるって、わたし知ってるから」と言いながら。 ずっと取り組んでいた問題を先に解かれてしまってから、自分が“ない”ような気がしていた広海だが、優希たちに出会ったことで、“ある”と実感できるようになるだろうか。自分がちゃんと“ある”と証明をするのは、自分じゃなくてもいいのだから。 広海を演じている佐野勇斗は、本当にたくさんの表情を持っている人だなぁと思う。俳優としては、『トリリオンゲーム』(TBS系)のガクや、『僕の愛おしい妖怪ガールフレンド』(Prime Video)のハチなど、どちらかというと周囲に翻弄される巻き込まれ型のキャラクターを演じることが多いが、所属しているアイドルグループM!LKでは、最年長としてグループをグイグイと引っ張っている。個人的には、『僕だけが17歳の世界で』(ABEMA)で航太を演じているときなどに、佐野が醸し出す“青春感”が好きだ。『マイダイアリー』の広海は、まだまだ心を閉ざしているが、いつかすべてが吹っ切れたとき、航太のような晴れやかな笑顔を見せてほしい。
菜本かな