中学受験国語で入試前に読んでおきたい著者はこの2人 東大も出題した長田さん 桜井信一の攻める中学受験
「中華料理」って四字熟語ではありませんから、本来はひらがなを含んでいると思うのです。それが広く認知されて今では説明の必要がない言葉になったのかもしれません。でも、広く認知されていない言葉は説明が必要ですから、ひらがなを付け加えているのかなと。さらに、ひらがなが適度にあると、読むときの休憩場所になります。飛び石のようにひらがながある文の方が読みやすいというわけです。
それなのに、長田先生の文章は、大袈裟に言うと飛び石ほどしか漢字がない。漢字とひらがなのバランスの大切さを感じます。そう、長田先生は「ひらがなばかりじゃ読みにくいよ」と置手紙をしてくれたのかもしれません。受験生には迷惑な話ですが――。
また、児童文学といえば「バッテリー」の著者である「あさのあつこ先生」です。あさのあつこ先生の本は、小学生の読書感想文の課題にもなるそうです。ということは……、そうです。中学受験にも出題されるのです。
「バッテリー」のイメージからすると読みやすそうと思ってしまいますが、読書として読むのと国語の題材として解くのとは大きな違いがあります。とにかく暗示が難しい。この描写でこの意味は気付かなかったよと思うことが多いのです。
選択肢問題が相当難しくなります。でも安心してください。やっぱり何度かで慣れるのです。問いて納得する、これを二度三度繰り返すとコツがわかってきます。受験前はやることがたくさんありますが、このおふたりは「受験前に解いておきたい」ですね。
■桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。