歌と踊りで野菜嫌い克服 「トマト兄さん」食育ライブ人気 子どもの農産物への興味刺激 御殿場
御殿場市を中心に活動するシンガー・ソングライター「トマト兄さん ちゃす」さんの食育ライブが、未就学児の家族らの間で人気を博している。同市だけでなく三島市や清水町、静岡市などの保育、教育施設にも活動を広げていて、野菜や米を題材にした歌と踊りで子どもの農産物に対する興味関心を高めている。 トマトの帽子がトレードマークで、キャッチフレーズは感謝の言葉「ありがとまと」。トマトの歌、ナスの歌、オコメの歌などのオリジナル曲は、農作物の品種や特徴を踊りに合わせて紹介する。野菜ソムリエの資格も有し、MCでは季節の野菜と効能、噛むことの大切さなどを分かりやすく説明。「子どもが苦手な野菜を克服した」「商店の野菜売り場を楽しそうに見るようになった」と未就学児の親からの反響が大きい。 御殿場市出身で、芸能事務所やユーチューバー事務所を経て現在はフリーで活動する。トマト好きを理由に「トマトの歌」を作り、路上ライブ映像は交流サイト(SNS)で220万回以上再生された。今年2月に始めた食育ライブは、すでに市内外の保育施設や放課後児童クラブなど約50カ所で開催。トマトと人の成長を重ね合わせた歌詞の曲「ありがとまと」なども披露し、子どもが農家や家族に感謝の気持ちを持てるよう“種まき”もしている。 11月末にJR御殿場駅前で開かれたライブは、トマト帽子を家庭で手作りした子どもらであふれた。ちゃすさんは「野菜に関する発見や驚き、歌って踊る楽しさが子どもの興味関心を刺激しているのだと思う」と話し、「子どもの笑顔が一番の喜び。県内で活動範囲を広げたい」と意気込む。
静岡新聞社