トランプ氏が大統領選「勝利宣言」、共和党は上院で多数派
(ブルームバーグ): 5日投開票の米大統領選は、共和党候補のトランプ前大統領が、選挙結果を左右する激戦州で勝利が見込まれ、ホワイトハウス返り咲きに近づいている。議会選では共和党が上院で多数派となる見通し。市場はトランプ氏勝利の可能性を予想した動きとなっている。
大半の報道機関ではまだ、トランプ氏を当選としていないが、同氏はペンシルベニア州で当確となり、民主党が優勢とされる同州など「ブルーウォール」を突き崩し、同党候補のハリス副大統領は勝利の望みをほぼ絶たれた。ノースカロライナ、ジョージア両州は既にトランプ氏が勝利となっている。
トランプ氏は6日、フロリダ州ウェストパームビーチで開催された選挙観戦パーティーで支持者を前に演説し、「わが国がかつて経験したことのない政治的勝利」だと語った。さらに、「この4年間の分断を過去のものとし、団結する時だ」とも話した。
下院は民主・共和いずれの党が多数派になるか予断を許さない状況だ。
市場はトランプ氏が優勢となっていることを反映した展開となっている。S&P500種株価指数先物は一時1.2%上昇。米10年債利回りは19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.47%と、4カ月ぶりの高水準を付けた。暗号資産(仮想通貨)ビットコインは過去最高値を更新した。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数が一時1.7%上昇した一方、メキシコ・ペソは3%強下落した。円とユーロは少なくとも1.5%下げた。
いわゆる「トランプトレード」の動きで、6日の日本市場では円相場と債券先物が大幅安となり、株式は日経平均株価の上げ幅が一時1100円を超えた。
イスラエルのネタニヤフ首相はX(旧ツイッター)への投稿で、トランプ氏の返り咲きが予想されることは、「イスラエルと米国との間の偉大な同盟への強力な再コミットメント」となると、祝意を伝えた。また、ウクライナのゼレンスキー大統領やインドのモディ首相、スターマー英首相、フォンデアライエン欧州委員長、ハンガリーのオルバン首相、韓国の尹錫悦大統領らもXへの投稿で同様にトランプ氏への祝意を表した。石破茂首相は「心からのお祝い申し上げたい」と述べた。