暫定政府「シリア解放機構」幹部を国防相に任命 アメリカ高官が12年ぶりにシリア訪問
シリアの暫定政府は21日、元反体制派「シリア解放機構」の幹部で、アサド政権軍との軍事作戦を指揮した司令官を国防相に任命するなど、本格稼働に向けた準備を進めています。 ロイター通信などは21日、アサド政権崩壊後に発足したシリア暫定政府を主導する過激派組織「シリア解放機構」の幹部ムルハフ・アブカスラ氏が国防相に任命されたと報じました。 アブカスラ氏はアサド政権を打倒した軍事作戦で中心的な役割を果たした人物だということです。 また、外相には反体制派の支配地域で幹部を務めた、37歳のシェイバニ氏が指名されるなど、暫定政権の本格稼働に向けた準備が進められています。 こうした中、アメリカ国務省のリーフ国務次官補らは20日、シリアの首都ダマスカスを訪れ、「シリア解放機構」のジャウラニ指導者と会談しました。 アメリカ政府は、過去に国際テロ組織アルカイダに忠誠を誓っていたジャウラニ氏に関する情報に最大1000万ドルの報奨金を出すとしていましたが、会談でアメリカ側はこの方針を取り下げると伝え、融和姿勢を示しました。 アメリカ外交団のダマスカス訪問は約12年ぶりです。
フジテレビ,国際取材部
【関連記事】
- 【解説】シリア・アサド政権の崩壊によって懸念される新たなテロリスク…「イスラム国」の再生や反中国ジハード
- 「アサドは最も恐ろしい人道的犯罪をした」アサド政権崩壊のシリア“キーマン”単独インタビュー シリア国民連合ハディ・バハラ議長「復興には20年かかる」
- アサド前大統領所有か?4.5億円超フェラーリなど見渡す限り高級車…豪華生活の裏に麻薬密売疑惑 一方、難民がシリアに戻るも食糧不足が深刻 シリア
- シリア・アサド政権崩壊…日本への影響は?「反政府勢力間の争いで中東情勢悪化し原油高の可能性も」専門家指摘
- 【日本メディア初取材】ヒズボラ支配地域に最高指導者・ナスララ師の殺害現場も 数分間で爆弾80発超…惨状あらわに イスラエル“停戦”から1週間