夏休み明けの子どもの不調、対応のポイントを専門家が解説 電話相談は深刻化の一途 第一声が「死にたい」、「リストカットがやめられない」小3女子も
夏休み明けは子どもの気持ちが不安定になりやすく、不登校や自殺が増える傾向にある。子どもに「学校に行きたくない」と言われた時、親はどう対応したらいいのか。子どもの電話相談に応じるNPO法人チャイルドラインおかやま(岡山市北区表町)の国正恵美子代表理事に現状やアドバイスを聞いた。 チャイルドラインは電話でつながる心の居場所。18歳までの子どもを対象に、専用回線で相談を受けている。夏休み中の相談は、後半に増え始める。やっぱり「学校に行きたくない」という声が多い。 子どもたちは、新型コロナウイルス禍の影響もあり、生身の人間と関係を築くのが苦手になっているよう。相談してくる子は、常に周りの顔色をうかがうような気遣いをしながら学校生活を送っている。「宿題ができていないから」と言っていても、実はいじめや人間関係のストレスで学校に行くのがつらいということがよくある。 チャイルドラインおかやまが発足した2001年ごろは、小学校高学年からの相談が多かった。近年は中高生が中心。最近の子どもは、電話になじみがないため、かけ方が分からず、「相手と何を話していいか分からない」という子もいる。より多くの子どもとつながれるよう、19年からオンラインチャットでも対応している。 気になるのは悩みの深刻化。以前は「バレンタインデーのチョコをどうやって渡そう?」「母の日にプレゼントをあげたいけどお金がない」といったほほ笑ましい相談もあった。今は第一声が「死にたい」で始まることが多い。小学3年で「リストカットがやめられない」という女の子もいた。電話が苦手なのに、かけてきた時点で重い悩みだと受け止めている。 大切にしているのは、とにかく話を聴き、思いを吐き出してもらうこと。自分の経験に照らしたアドバイスはしない。親には心配させたくないと口をつぐむ子どももいるので、チャイルドラインのような相談窓口の存在を教え、つながるチャンスをつくってあげてほしい。