悪路のスーパーヒーロー ジープ・ラングラーへ試乗 ロックレールで側面衝突に対応 12.3型モニター獲得
1番幸せを感じるのはオフロード
右足を踏み込めば、2.0Lエンジンは滑らかに回転。高負荷時には、ザラ付いたノイズが聞こえてくる。 8速ATの反応は若干ダルに思えるものの、険しい悪路では優しい変速で速度調整しやすい。ラングラーを運転して、1番の幸せを感じられるのはオフロードだ。 もちろん、サスペンションはソフト。サイドウォールの厚いタイヤは、路面からの細かな入力を吸収し、一般道でもドライブを楽しめる。それでも、リジッドアクスルはタイヤへの衝撃の影響を受けやすく、ロードノイズやボディの揺れとは無縁ではない。 長大なサスペンション・ストロークに、ロッキング・センターデフは標準装備。ルビコン・グレードを選べば、前後のデフもロック可能になり、フロント側のアンチロールバーは、複雑な地形でアクスルから切り離すこともできる。 今っぽいオフロード・モードや、直下の路面を映すカメラは備わらなくても、走破性は抜群。今回のオフロードコースには、深い谷や岩が露出した荒れ地が混在していたが、まったく意に介することなく、走り切ってみせた。デフロックさせる必要なく。 ラングラーの能力を完全に引き出すには、本気度の高いオフロードコースが必要になる。サーキットを走らせなければ真価を確かめられない、ポルシェ911 GT3 RSと同様に、秘めた能力の高さに充足感を抱けるタイプのクルマだ。
スーパーヒーローのマシンにもピッタリ
英国での価格は、ベースグレードのサハラで6万1125ポンド(約1174万円)から。ルビコンでは、6万3125ポンド(約1212万円)になる。いつでも大冒険へ出かけられる実力を考えれば、高価すぎるとはいえないだろう。 確かに、一般道での体験には妥協がある。悪路性能も、やりすぎなくらい高いといってもイイ。スーパーヒーローが乗るマシンとしても、ラングラーはぴったりだと思う。
ジープ・ラングラー(アンリミテッド) 2.0GME ルビコン(英国仕様)のスペック
英国価格:6万3125ポンド(約1212万円) 全長:4334mm 全幅:1894mm 全高:1828mm 最高速度:159km/h 0-100km/h加速:7.6秒 燃費:8.8km/L CO2排出量:-g/km 車両重量:2028kg パワートレイン:直列4気筒1995cc ターボチャージャー 使用燃料:ガソリン 最高出力:271ps/5250rpm 最大トルク:40.7kg-m/3000rpm ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
イリヤ・バプラート(執筆) 中嶋健治(翻訳)