冷凍麺「お水がいらない 天下一品」2か月で114万食のヒット 秋冬へ「あんかけうどん」 キンレイ
キンレイは、24年度食品事業売上高で前年比8.2%増、169億円を目指す。第1四半期(4~6月)は12%増と好ダッシュ。新商品「お水がいらない 天下一品」(5月13日発売)が2か月で114万食を出荷するヒットで牽引した。 秋季に向けては「お水がいらない」シリーズで市場にありそうでなかった「あんかけうどん」(8月20日発売)を投入する。白潟昌彦社長は「ひと手間かけたおいしさを手軽に味わえることが伝われば」と期待を寄せる。 前3月期の全社売上高は158億円、4.3%増。うち食品事業は156億円、4.5%増。業態別にみると、コンビニ(構成比28%)は一部大手で商品カットがあり減収となったものの、主力の量販(同44%)は6.8%増と堅調、COOP(同24%)も8.9%増と高い伸びを示した。 今期は全社で171億円、8.1%増を計画。うち食品事業で169億円、8.2%増。今春に稼働した亀山工場で「お水がいらない」シリーズの「ラーメン横綱」「横浜家系ラーメン」など人気商品を増産しており、主力の量販業態は21.9%増、83億円と高い目標を掲げた。同工場はまず8時間稼働を軌道に乗せ、25年度には12時間稼働に移行する予定。
直近のトピックスは「お水がいらない 天下一品」のヒットだ。発売直後は既存の定番品比2~3倍の売れ行きをみせ、約2か月で114万食を出荷した。 森江康行常務営業本部長は「シーズン途中の発売だったが導入店では大きく展開していただけた。秋冬に向けて再度提案を強化し、主力品レベルの販売を目指したい」と展望する。
秋季の新商品「お水がいらない あんかけうどん」は、「だしを食べる」をテーマに開発。とろみのある黄金だしは上品な味わいで、国産生姜の香りをきかせた。もちもち食感の自家製麺とよく絡む。花形の五目しんじょ、玉子焼き、九条ねぎなど彩り豊かな5種の具材もポイント。 同社によると、あんかけうどんは大手うどんチェーン店で人気上位のメニューだが、家庭では再現しづらい課題があった。また冷凍麺市場であんかけうどんはほとんど商品化されていない。新商品はキンレイの技術でこだわりの黄金だしと絶妙なとろみを再現し、「お水がいらない」シリーズならではの「二段凍結三層構造」で完成した。498g、オープン価格。 一方、同社は今年創業50周年を迎える。社内プロジェクトを立ち上げ、キンレイのこれまでを振り返り、これからの50年を考える機会としたい考え。9月に従業員向けの社内式典を開くほか、今年度中に社史を制作して社内外に配布する。 白潟社長は「冷凍麺市場が拡大する中で、当社は具付きうどん・具付きラーメンを主力に業界平均を上回る成長でシェアを高めてきた」と回顧し、「今後も5つの重点施策(①「組織力」の強化②「人間力」を高める③「仕組み」の強化④「挑戦することを恐れないこと」⑤『環境経営の視点』を強化)をさらに推し進めていく」と語った。