東京決戦が日本を決める 挑戦者・蓮舫「私はこう戦う」 田原総一朗が斬り込む 【倉重篤郎のニュース最前線】
第二に、都政そのものへの関心だ。超少子化、環境と都市再開発の調和、首都防災、一極集中といった東京ならではの課題にどう向き合うか。「出生率0・99」の現状をどう克服するのか。神宮外苑再開発による樹木伐採計画をどう見直すか。関東大震災級の地震への備えをどうするか。国際都市・東京のトップは世界に向けた日本の顔でもある。多様性の体現力、歴史認識も重要だ。関東大震災時の朝鮮人虐殺の追悼式典に、小池知事になってから追悼文を送らなくなったことの是非も争点となろう。 第三に、小池、蓮舫両氏のキャラクター対決の妙味である。思想的には真逆だが、二人ともキャスター出身、政治勘が鋭く、発信力が高い。小池氏は8年前、自民党を敵に回すことで知事ポストを射止め、その後は自公と組み、中央政界復帰カードを巧みに切りながら、都政での小池1強体制を構築した。その安定感は3選盤石と思わせたが、自民の裏金逆風と小池氏本人のカイロ大学「学歴詐称」疑惑再燃が重なり、その間隙を縫って勝負に出たのが蓮舫氏だった。「反自民、非小池」票の受け皿を自ら買って出たことで、世の関心を一気に引き寄せた。ここは挑戦者に敬意を表し、ジャーナリストの田原総一朗氏が蓮舫氏の胸中を質(ただ)す。 ◇自民党への怒りがこみ上げてきた 田原 なぜ都知事選? 蓮舫 私の故郷だからです。東京に生まれ育ち、双子を育て上げてきました。20年間都選出参院議員として仕事をしてきて、東京には強い関心を抱いてきました。 田原 国政の人かと。 蓮舫 国政でこのままやるのか、生まれ育った東京を世界に開く仕事をするのか、という判断でした。国会議員としては、国会での行政監視役という野党の役割を果たすため、「批判ばかり」と言われようと、時の政権が否定できないファクトを突き付け改善に導く仕事をしてきました。ただ、自らの政策を実現するハードルが高い、という野党国会議員の限界も感じてきました。そんな時、少子化対策といった国政にも関わる重要な問題でも、都知事というポストなら都議会と協力して条例を成立させるなど、都が国に先立って課題解決の流れを作れることに気付きました。貧困に苦しむ若い世代の環境改善もそうですし、人生の先輩たちの安全安心もそうです。都知事のリーダーシップで、そういった世界をつくり上げることができます。この魅力が凄(すご)く大きいです。