複葉機を最新キットで製作!目標は「張り線をビシッとキメる!」【達人のプラモ術<ブリストル・ブルドックMkⅡ>】
■ブリストル・ブルドックMk.Ⅱとは
ブリストル・ブルドックは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間となる1926年にイギリスのブリストル社で開発された戦闘機です。 資料によると初飛行は1927年5月で、飛行性能を含め全般的に優れた機体で、整備が容易である点が特に評価され1928年から量産を開始。最終的に約440機が生産されました。 機体は全長7.54m、全幅10.36 mとかなりコンパクトで、エンジンはブリストルジュピターV2F単列9気筒空冷星型エンジン(498馬力)を搭載。最大速度は300km/h、武装はヴィッカース7.7mm機関銃を2丁装備していました。 1930年代初期のイギリス空軍は、本機が主力戦闘機として多くの部隊に配属されていましたが、1937年にはホーカー・ハリケーンと交替しイギリス空軍からは退役しています。 ブルドッグは、オーストラリア、フィンランド、スウェーデン、ラトビアなど、多くの国に輸出されており、特にフィンランドにおいては、第二次大戦時、既に旧式機となっていながらも対ソ連軍との戦闘で使用され活躍しています。
■まずはコクピットの製作
早速、組み立てを進めていきましょう…と、その前に。海外メーカーのキットにありがちな離型剤がかなり気になるので、ランナーの状態で家庭用洗剤(マジックリン等)を使って水洗いしておきましょう。離型剤が残っていると塗装の際に塗料がはじかれてしまうなどトラブルの原因になります。洗浄後は水気を良く拭き取り自然乾燥させておきます。
■悩ましきはハンブロールカラーによる塗装指示
イギリス機に多い鋼管フレームで囲われた特徴的なコクピットは、1/48スケールとしては、これで充分といった感じで細部まで再現されています。パーツの合いも良く、サクサクと組み立てを進められます。とはいうものの、悩ましいのがパーツの塗装指示です。 パーツごとに「ここは何色に塗りなさい」と指示されているのはありがたいのですが、色指定はすべてハンブロールカラーとなっています。同カラーは英国製のエナメル塗料で、国内でも販売されています。50代以上のモデラーなら知っている人も多いでしょう。 1970年代~80年代初頭まではかなり使用頻度が高かった塗料で、筆塗りに特化しており発色も悪くないのですが、エナメル塗料ということもあり、乾燥が遅い、ラッカー塗料の重ね塗りができない、といった欠点が…。国内メーカーの模型用塗料の進歩に伴い、徐々に使うモデラーを減らした塗料です。 達人的には、一度蓋を開けてしまうと、ちゃんと密閉できなくなり、気が付くと固まっている金属容器に泣かされた記憶があります。 同じ英国製品ということもあるのでしょう。先にも書いたように塗装指示はすべてハンブロールカラーなので、これをMr.カラーやタミヤカラーに置き換える必要があります。 ありがたいことにネットを検索するとハンブロールカラーと国内模型用塗料の互換表が数多く公開されているので、それらを参考に今回の作例は基本Mr.カラーで塗装していきます。