「家がなくてかわいそう」「迷惑かけやがって」とネットで批判…スクールバスを“魔改造”して車中泊生活を始めたオシャレ男女が明かす、周囲からの反応
「キャンピングカーで旅に出たい」と思うようになったワケ
――コージさんは、なにか理由があって「キャンピングカーで旅に出たい」と? コージ 世捨て人願望があったんです。僕は湘南で美容室の経営をやってるんですけど、けっこうつらい部分がいろいろあって。お金を借りて回していかなきゃいけないし、社員に良かれと思って環境を整えても、そんなに反応が良くなかったり。 そういうのが溜まっていて、すべてをなげうって、あらゆるしがらみから解放されたいって思いが、すごく強くあって。正直、ぜんぶ放り投げて世捨て人になってもいいんだけど、それって簡単にできないじゃないですか。そういうのがあって、車であちこち放浪することに憧れたんですよね。現実は絶対にあるので、現実逃避はできないけど、いろんな場所に行ったら気が晴れるのかなって。
コロナ後に美容師の仕事を辞めた経緯
――さあやさんは、コロナをきっかけに美容師の仕事を辞めたとのことですが、なにかあったわけですか。 さあや コロナになって、仕事が一気につまらなくなったんですよ。それで、もう辞めようと。 美容師といっても、自分でお店を持っているわけじゃなくて、表参道にある美容室で働いてたんですよ。で、「コロナになったから、これはしちゃいけない」とか「あれはムリ」とか、上からの制限が多くなって。たとえば、外出している様子をインスタのストーリーに載せたら、上から即「消して」と連絡がくるみたいな。 あと、お客さまの数も実際ガクンと減ったんですよね。それで、ちょっと美容師から離れようって思ったし、ずっと前から日本を回りたいのもあって、「旅に出るなら、このタイミングだな」とはメチャ思ってました。 ――では、お互いのタイミングが一致したのが2021年の6月だったと。 コージ それぞれの旅をしたいという気持ちのタイムラグがけっこうあったし、ひとりで行くつもりだったんですけど、そのあたりでたまたまタイミングが重なって出発しました。
ヤフオクで見つけたアメリカンスクールバスの出品
――コージさんは、車好きだったのですか。 コージ これが、まったく車に興味なくて。いまはスクールバスに愛着がありますけど、自動車自体には興味ないです。ただ、ずっと車には乗っているんですけど、あくまで移動するための道具として使っている感覚ですね。 ――自動車に興味がなかったけど、アメリカンスクールバスには惹かれてしまった。 コージ 2019年に『VOGUE』のオンラインの特集で、ジャネル・イリアナさんというバンで生活しているアメリカの女性が紹介されてたんですよ。「バンライフってカルチャーがあるのか」って驚きつつも憧れて、自分もやってみようと思ってバンを探し出して。 最初はトヨタのハイエースとか日産のキャラバンとかをチェックしてたんですけど、ちょっと狭いなと感じて。今度はダッジとかシボレーとか、アメ車のフルサイズバンと呼ばれてる車種で探して。フルサイズバンはハイエースよりも大きくて良かったんですけど、そこでスクールバスの存在に気づいて「これもアリかな」と思ってヤフオクをのぞいたら、ちょうど出品している人がいて。まぁ、2、3ヶ月は探してましたね。
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