テクノロジーの進化が可能にした、「龍が如く ~Beyond the Game~」の撮影舞台裏を監督に聞いてみた
劇中の細かなディティール。影響を受けたのは「あの」作品?
ーー他の作品からオマージュを受けているなどありますか? 武監督 :格闘技のシーンなんて「またか」なんですけど、やっぱり(マーティン・)スコセッシの『レイジング・ブル』など、ああいうもののアクティビティーな描写というのは格闘技のシーンでは影響を受けていますね。 あと、説明はしないんですが、何か世界観が全部古いものを使ってるっていうのを見せていく感じは『ジョーカー』から影響を受けていますね。よくわからない街を見せていく時のスタイルとしてすごく参考になりました。(『ジョーカー』の)小道具の配置とか、なんとなく70年代っぽく思わせるみたいな。 ーー神室町の広場の背景に『フォレスト・ガンプ』のポスターがありましたね。 武監督 :あれは全て当時の上映のスケジュールを全部調べて、全部図面に書いて記憶からも思い出して再現しました。だからエキストラも全部キャラクターを作ってこの人はこの人、この人はこの人と当時の自分の記憶に残っている人を全部作りました。 ーー劇中に挟まれるニュースも時事ニュースみたいでしたね。 武監督 :あれは全て当時のニュースです。こだわりではないんですが、なんでもいいですよとはなりませんよね。だから助監督さんたちが困るんです(笑)。 例えばホテルでクイズをやってる番組がありましたよね。 あれは高校生クイズの再現で、あれは僕も昔高校生クイズに出場してあの問題を間違えたんですよ(笑)。作品を作るということはスピルバーグもそうですが記憶の再構築だと思うんです。 なんかそこにひょっとすると想像する力が生まれる可能性があって、例えば『フォレスト・ガンプ』っていうポスターを持ってくるためにいろんな人が努力しなきゃいけない。あれを見たときに思い出す人もいれば、新しい情報としてあのポスターはなんだろうと思って見る人もいるんです。