介護福祉士に聞く「高齢者の一人暮らし」の7つの問題点 家族が知っておくべきコトとは
一人暮らしの高齢者が利用するべき支援サービスを紹介 高齢者のQOLをあげるための対策とは
編集部: 一人暮らしの高齢者が利用するべき支援サービスはありますか? 山下さん: 自治体や民間の企業が行っている安否確認サービス、見守りサービス、高齢者向けの食事配達サービスなどがおすすめです。安否確認サービスや見守りサービスは孤独死が起きてしまった場合に、長期間気付かれないリスクを低くするためです。郵便局員の配達時、電気・ガス・水道などの公共料金検診時に声をかけてもらえます。安否確認だけでなく、定期的に職員と関わりを持てる社会的な一面もあわせ持っています。支援サービスを利用する場合は、高齢者本人が申請もしくは高齢者本人の承諾を得て家族が申請することも可能です。 編集部: 高齢者がQOLを上げるための対策は何でしょうか? 山下さん: 高齢者がQOLを上げるためには、生きがいを見つけてもらう、他者と関わる機会を設けることが大切です。生きがいや他者と関わることでQOLを上げると、毎日がいきいきと過ごせるようになります。生きがいがない高齢者は、意欲が低下したり、無気力になってしまったりと生活に悪影響を及ぼす可能性もあります。 編集部: 生きがいの見つけ方や、他者と関わるためはどうしたらよいでしょうか? 山下さん: 趣味がある場合は、自治体で活動しているサークルなどに参加して他者と関わる機会を作るとよいでしょう。また、生きがいを見つけるためには、今までの人生で楽しかったことを思い出してみてください。それでも生きがいを見つけられない場合は、地域の介護予防教室やサロンに行ってみましょう。地域の介護予防教室を見つけるためには、地域の市役所や区役所に行って、教室が開かれる予定を確認したり職員に尋ねたりする方法があります。また、定期的に配布されている地域の広報誌にも介護予防教室やサロン、地域の行事などが記載されているので、読んでみてください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 山下さん: 高齢者の一人暮らしは、社会性・自尊心の低下、金銭的な問題、病気や認知症といった健康問題、孤独死などの問題を抱えています。家族が本人の問題を把握して、適切なサービスを利用すると、問題を抱えながらでも本人らしい生活を続けられます。ご家族の中に一人暮らしの高齢者がいる方で、長い間連絡を取っていない場合は連絡を取り、本人らしい生活を続けられるよう支援していきましょう。