ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
洗車マニア愛用の「純水」の凄さ
先日某所で宿泊したホテルの洗面台の水道蛇口近くに、「当ホテルはお肌に良いマイナスイオン水が蛇口やシャワーヘッドから出てきます」といった表示を見て、以下のことを考えた。 【画像】24時間365日洗車用品が買える「洗車用品自販機」があった! ロサンゼルス国際空港そばの営業所でレンタカーをよく借りるのだが、アメリカであっても返却された車両はスタッフによって外装の洗車及び内装の清掃が行われるのが当たり前。ただ、砂漠気候といってもいいエリアなので湿度が低く、年間を通じて少なくとも昼間はTシャツで過ごすことができる気温となることもあり、洗車後はあまりふき取りを行わずに、新規に貸し出すための駐車スペースに運ばれてくる。なので、以前はみるみる乾燥していくなか、ボディに白いシミのようなものができていた。 これは水道水にはカルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラル成分が含まれており(雨水には含まれない)、これが洗車後にボディの水分を十分拭き取らないでいると、前述したシミ(ウォータースポットと呼ばれるようだ)がボディにできてしまうのである。 先日、ある展示会で水道水からミネラル成分を除去する浄水装置が展示されていた。おもに複数の車両を保有するバスやタクシー会社や、日ごろから数多くの車両を洗車する新車ディーラー、ガソリンスタンドのセルフ洗車機などですでに導入されており、利用者から好評を得ているようである。 これを使うと、水道水が装置内のろ過フィルターや除去装置を通過することによりミネラル成分が99.9999%除去された純水が作り出される。ただし、装置は大きく価格も含めて当然ながら家庭向けのものとはいえない。前述したような日常的に多くの台数を洗車するケースでより効果を発揮する……ということになる。
純水は時短に貢献
前述したロサンゼルスのレンター屋のケースでは、最近は昔ほどウォータースポットが目立たなくなっている(というかほとんどない)。雨が降る日が珍しいとされる地域なので雨水で洗っている……とは思えない。 別件で地元で大量に格安のミネラルウォーターを販売する業者と話をした際、ロサンゼルスでは巨大なろ過機に向かい消防に使うような強い水力のホースで水道水などを放水して浄水していると聞いたことがある。その際、あまりに勢いが強くろ過機に放水するので、ミネラル成分も含み、ありとあらゆる成分が除去されてしまうらしい。よって、浄水装置導入とはいかなくとも、不可抗力によっていままでの水道水とは成分が変わった……ということらしい。 こんなことになっている理由を聞くと、ウォータースポットができない純水での洗車をすることで、洗車後のふき取り作業がいらなくなり手間が省けるというメリットがまず大きいそう。タクシーでは営業運行後に車庫に戻ってきたときは、担当運転士が担当車両の洗車をするのが一般的と聞いている。 バスではふき取るにも数人がかりでかなりの作業となってしまうし、筆者が見ている限り、路線バスではいままでもふき取りを行わずにそのまま運行している(走らせて風で乾かず/ボディが大きいからウォータースポットも目立たない?)ように見える。さらにいうと、バス停でバスを待っていると、雨も降っていないのにびしょ濡れのバスがくることがあるので、この見立てはあらかたあっているはずだ。 「働き方改革が叫ばれているなか、運行後の清掃作業の負担や時間短縮にもなるのでその意味では純水洗車は『時短』に効果を発揮しているようです。新車ディーラーでもまさに分刻みで作業予定が入っているなか、点検・整備後に当該車両の洗車が行われるのが一般的となっており、純水洗車は歓迎されています(事情通)」。 また、ガソリンスタンドのセルフ洗車機では、洗車機を通したあとのふき取り作業がいらなくなるので、より回転が早くなり、収益向上につながるとして注目されているようである。 筆者もボディコーティングを施すようになり、ずいぶん前からワックスがけからは解放されたが、洗車後のふき取り作業が歳をとるごとに負担に思うようになってきている。使い古しのタオルなど、十分な洗車ツールを用意しないこともあり、効率的なふき取りができないことは自業自得ともいえるが……。 実際そのような商品があるのか確認しきれなかったが、テレビショッピングでよく紹介されている高圧洗浄機に純水浄水機能がついていたら、筆者はぜひ欲しいなぁと考えている。
小林敦志