日常に寄り添う「ディオール」の服。匿名的で極上なワードローブを纏う喜び
凛として寡黙。それでいて優しく、表情豊か。いい男の話? いや、日常に寄り添ういい服の話だ。 ▶︎すべての写真を見る エッセンシャルな色、素材、シルエットで奏でるアノニマス。身に纏うほどに伝わる感動が、何でもない“とある日”を彩る。 ディオールは語りかける。控えめながら力強く。退屈な日々からの出口は、特別な非日常だけではないと。
日常を彩る「ディオール」のいい服
ディオールのグレーは白と黒の単純な中庸でなく、多くの色彩をはらんだシグニチャー。その美しくも匿名的な色合いをグラデーションでより豊かに。 クラシカルなコートは最上級のカシミヤ製。ひとつだけメタリックに仕上げられた袖口のボタンが粋だ。
メゾンの伝統的なモチーフ「カナージュ」を全面にあしらったカシミヤのケーブルニットは、リブ編みのスタンドカラーと袖口でモダンな洗練をも伝える。 そこに、ワイドストレートのリジッドデニム。柔と剛のコントラストで“日常色”のネイビーに深みを。
カシミヤ&ヴァージンウールで仕立てたワークジャケットは、定番に見えて退屈とは無縁。アイコニックな「ディオール オブリーク」が裏地で優雅に踊る。 中に着たパーカは、前身頃がスエードラムスキン製。スポーティとエレガントの理想的共存を見る。
柔らかなカシミヤを贅沢に使い、シンプルなステンカラーコートを目には見えない喜びで包む。一転、ダブルフェイスの裏地には荘厳な「ディオール オブリーク」を袖先まで描く。 外からは可視化しきれない、着用者の愉悦。これぞ真のラグジュアリーだ。
メゾンの独創的エレガンスはウォッチメイキングにも踏襲される。20周年を迎えた、鮮やかな赤を備えた「シフル ルージュ」。 最新作には文字盤とローター、そしてストラップに幾何学的な「カナージュ」があしらわれ、新時代の幕開けを確信させる。
白いシャツは永遠のクラシック。だからこそ味付けは繊細に、上品に。エコロジカルな再生繊維リヨセルとシルクを混紡し、光沢とドレープが生み出す優雅な美を強調。 全面にあしらった「カナージュ」のレリーフ加工、襟のメタリックボタンも華やか。 清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング AMANO=ヘアメイク 増山直樹=文
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