ブラックストーンCEO、トランプ氏勝利の賭け奏功-COOがヘッジ
事情に詳しい複数の関係者は、ブラックストーンの幹部は経営トップの政治傾向が分かれていることは最終的にはビジネスにとって良いことだとみていると語った。
特に緊張感に満ちた大統領選挙の年にこうした多様な視点を持てば、トランプ氏に迎合しているという非難を免れるという利点がある。
ニュージャージー州年金基金運用を監督する同州投資委員会の元委員長で、現在は運用マネジャーを務めるトム・バーン氏は「PEの経営トップがこれほどトランプ氏に肩入れしていることを公的年金が強く批判しないのは不思議でならない」とした上で、「しかし、こうした立場の多くは他の経営陣によってヘッジされている」と指摘した。
曲折
シュワルツマン氏は最終的にトランプ氏支持に回帰したが、その道のりには幾つかの曲折があった。
民主党候補としてヒラリー・クリントン氏が大きな存在感を示した2016年、共和党予備選・党員集会ではシュワルツマン氏は特定候補を支持しなかった。選挙後に同氏は有力経営者で構成される大統領への助言組織「戦略・政策フォーラム」のトップに就任した。
しかしバージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者らと反対派との衝突について、「双方の側」に責任があるとしたトランプ氏の発言が波紋を呼んだ後、シュワルツマン氏は同フォーラムの解散を支持した。
それでもシュワルツマン氏はトランプ政権高官と外国の指導者との連絡役を務め続け、対中関税の一部軽減につながる貿易交渉の一翼を担った。
トランプ氏は米中貿易交渉の第1段階合意の記者会見で、「スティーブ、君がこの合意に全く興味がないことを私は知っている」とした上で、「このステージにいないことが驚きだ」と語っていた。
20年にはシュワルツマン氏は資金面でトランプ氏のウォール街エリート最大の支援者となったことが当時のブルームバーグの分析で明らかになった。
しかし、シュワルツマン氏はその後、トランプ氏と決別。トランプ氏が支持者らに連邦議会議事堂に向かうよう呼びかけた21年1月6日の暴動について、シュワルツマン氏は懸念を表明した。22年には共和党は新世代のリーダーを擁立すべきだと述べた。