高校生の自殺 、女子は健康問題が3割 政府24年版白書で原因分析
政府は10月29日の閣議で2024年版の自殺対策白書を決定した。こどもの自殺増を踏まえ、09~21年の自殺統計原票を特別集計した。それによると、女子高生の自殺(1162人)の原因は「健康問題」が31・8%で最も多かった。男子高生(2078人)で最も多いのは学業不振や進路の悩みなど「学校問題」が35・6%。「健康問題」は15・5%で、男女差が明確になった。 「健康問題」の内訳をみると、女子高生はうつ病、統合失調症といった精神疾患の悩みが男子高生よりも多かった。メンタルヘルスへの対応が、若年女子の自殺対策の重要な柱であることが統計的に分かった。 白書によると、自殺者数は全体として減る傾向にあるものの、20代までの若年女性は自殺者数、自殺死亡率ともに増加傾向にある。 特に女子高生の増え方は顕著で、23年の自殺者は166人。09年の約2倍に増え、男子(181人)との差が縮まった。 また、今回初めて小中高生の自殺未遂歴も分析し、女子小学生と女子高生は、亡くなる1カ月以内に自殺未遂歴があった割合が高いことが分かった。 政府は23年5月、「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を策定。自殺の要因分析や多職種による自殺予防チーム設置を進めている。