大統領選で失意の米国人に移住呼び掛け イタリアの村
(CNN) イタリア西部サルディーニャ島にある過疎の村が、米大統領選の結果に失望した米国人に移住を促す呼び込み攻勢をかけている。 写真特集:歴史の残る中世の集落 イタリア 同島の山間部にある村オッロライが新たに開設したウェブサイトは、「世界政治にはうんざりですか。もっとバランスの良い生活を楽しみながら、新たなチャンスを手に入れたいですか」と、移住を呼び掛けている。 コルンブ村長はCNNとのインタビューで、米有権者のニーズに合わせたサイトだと説明。「大統領選で選ばれた人物を名指しするわけにはいかないが、多くの米国人はその人物から逃げたいと思っていることを、だれもが知っている」と語った。 同氏は、村を再生させるのに米国人は最大の助けになると期待を寄せ、他国からの応募者に優先して手続きを進める方針を示す。 移住者に提供される住まいは3種類。一つ目は、ITを活用する一部のリモートワーカーに無料で貸し出す家だ。二つ目は改修が必要な売り家で、価格はわずか1ユーロ(約160円)。さらに、即入居可能な家を最大10万ユーロ(約1600万円)で購入することもできる。 貸家や売家の写真と間取り図は、まもなくサイトに掲載されるという。応募に年齢や職業の条件はない。 オッロライの人口は、100年前の2250人から1300人へ、さらにここ数年で1150人ほどまで減少した。 村はこれまでも移住者を誘致しようと、2018年に空き家を1ユーロで売り出し、昨年からはリモートワーカー向けの制度も新設、米国から4人を受け入れた。だが18年以来、1ユーロで売れた家は10軒のみ。村にはまだ100軒ほどの空き家がある。 新たなサイトには、米国などから3万8000件の問い合わせが殺到しているという。